「……最後のレッスン、するだろ」

後ろから私を抱き締めた彼が、そっと耳もとで囁く。

「……はい」

あごにかかった手が私を後ろに向かせる。
見上げた先には、レンズの向こうに艶を帯びて光る瞳。
唇が重なり、すぐに熱い舌が入ってきた。

「……ん……ふ……」

すぐに玄関に、熱い吐息が満ちはじめる。
夢中になって滝島さんを求めた。
最後。
これで最後。
そんなこと、いまは考えたくない。

「……」

滝島さんの唇が離れ、名残惜しげに私の舌が取り残される。
繋がった銀糸がプツン、と切れた途端、泣きだしたくなるほど切なくなった。

「エロい顔するようになったな」

「滝島さん、ここ、玄関……」

「だから?」