「どーなのよー。
茉理乃ちゃんが好きだから、ここまでしてあげるんでしょー?」

苦笑いでそれを聞きながら、心臓はばくばくと大きく鼓動していた。

滝島さんが私を好き?
本当に?

「そんなことあるわけないでしょ。
第一、伊深にはよりを戻したい彼氏がいるんだし」

さらっと滝島さんが流し、ずきっと胸が大きく痛んだ。

「なあ、伊深?」

笑顔のまま滝島さんが同意を促す。

「は、はい。
そうなんですよ」

「えー、そーなのー?
ぜーったいあんたたち、お似合いだと思ったのにー」

上手く笑って答えられたのか自信がない。
滝島さんにとって所詮、私は同じ中の人の後輩。
わかっていた、ことなのに。

食事が終わり、コーヒーを飲んで少しだけまったりしたあと、路さんが立ち上がった。