「さっきのお店の、会員様限定のセールはがき。
これで買えば三割引になるわ」

「路さん……!」

思わず、彼女の両手を掴んでいた。

「さ、コーヒー飲んじゃったら、さっきのお店に戻りましょ?」

「はい!」

残りのカフェラテを一気に飲み干す。
路さん、神!
もう、路さんの家の方に足を向けて寝られないよー!

最初の店に戻り、取り置きしてもらっていたスーツを買う。
きっと、路さんはこうなること、わかっていたんだろう。

滝島さんと連絡を取って駅で待ち合わせをした。

「いいのは買えたか?」

ぶんぶんと首を縦に振る。
滝島さんの手には食料品の袋が握られていた。

電車に乗って移動した先は、滝島さんの家だった。

「最初に着替えてねー」

「はーい」