そのままデパートの化粧品売り場に連れていかれたらどうしようとか思っていたけれど、路さんが私を連れてきたのは近くのドラッグストアだった。

「プチプラでもけっこうなんとかなるのよー」

テキパキと私にあう色味のアイシャドーやなんかを選んでくれた。
金額もお財布に優しい。

「ちょっと疲れちゃったし、お茶にしましょ」

目に入ったコーヒーショップに入り、買ったカフェラテを手にふたり並んでカウンターに座った。

「まだ悩んでる?」

「……はい」

買いたいのは高い方のスーツだが、値段的に私に釣り合うのは安い方。
わかっているのだが、一度あのスーツの魅力に取り付かれたら、そうそう簡単には離れられない。

「ふーん。
あ、そうそう」

おもむろに路さんはバッグの中からはがきを取りだし、私の前へと滑らせた。