「気づいた?」

「はい」

路さんの言っていた意味がよくわかる。
値段の分だけシルエットに差が出る。
それに素材も先ほどのに比べ、テロテロと薄く、安っぽく感じた。

「どっちを買うかは茉理乃ちゃんに任せる。
でも、もうリクルートスーツは卒業した方がいいし、戦闘服としていいスーツを一着は持っておくべきだと思う」

「そう、ですね……」

絶対的に先に着たスーツの方がよかった。
けれどお値段が、痛い。
貯金は多少あるし、カードでボーナス一括って手もあるけど……。

悩みつつも着替えて試着室を出る。

「すぐには決められないだろうから、先にお化粧品買いに行っちゃいましょ」

「そうですね」

とりあえず店を出た。