「どうぞ」

「プラスイメージはわかるけど、マイナス効果についての具体性が薄いと思うの。
たとえば、炎上したときの対策なんか、これで十分だとは思えない。
それで運用無期停止になった企業アカウントもあることだし」

すーっと深呼吸し、その間に考えをまとめて口に出す。

「炎上した場合、消火になにを言っても無駄です。
よくて焼け石に水、悪いとさらなる燃料投下になってしまいます」

「そんな危険があるなら、Twitter運用なんてしない方がいいわよね?」

ニヤッ、と路さんの唇が愉しそうに笑う。
意地悪だとは思うけれど、実際にだって同じ質問があるかもしれない。
そのための予行練習なんだし。

「迂闊に個人の考えをツイートせずに、自分の後ろには我が社がいるのだと重々に意識したうえで行います。
そのうえで炎上してしまった場合は、潔く謝罪を。
また炎上保険もありますので、それについては資料をご覧ください」