お金を渡したあと、すぐにバタンとドアが閉まり、タクシーが走りだす。
最後に窓から見えた英人は捨てられた猫のようで心が痛んだが、気づかないフリをした。
「……冷たかったかな」
本当に英人は具合が悪そうだった。
私だってつい先週、動けなくなって滝島さんにヘルプを出したくらいだ。
もう少しくらい、優しくしてやればよかったかもしれない。
でも私にはどうしてもできなかった。
「……嫌な女だよね、きっと」
仕事があるからと英人を切り捨てた。
簡単に切り捨てられた。
いまの私にとって、英人よりも仕事が優先だったから。
でもこれがもし、……滝島さんだったら?
「なに考えてるんだろ、私」
どうしてここで滝島さんが出てくるんだろう。
わけがわからない。
ううん、考えない。
いまはプレゼンのことだけ考えていよう。
最後に窓から見えた英人は捨てられた猫のようで心が痛んだが、気づかないフリをした。
「……冷たかったかな」
本当に英人は具合が悪そうだった。
私だってつい先週、動けなくなって滝島さんにヘルプを出したくらいだ。
もう少しくらい、優しくしてやればよかったかもしれない。
でも私にはどうしてもできなかった。
「……嫌な女だよね、きっと」
仕事があるからと英人を切り捨てた。
簡単に切り捨てられた。
いまの私にとって、英人よりも仕事が優先だったから。
でもこれがもし、……滝島さんだったら?
「なに考えてるんだろ、私」
どうしてここで滝島さんが出てくるんだろう。
わけがわからない。
ううん、考えない。
いまはプレゼンのことだけ考えていよう。