そのつもりでって、いまさら!?

当然、今週の仕事が溜まっているから定時になっても帰れない。
病み上がりにこれはないと思うが、なんといってもあの大石課長がそんな言い訳、許してくれるはずがない。

「……めっちゃ遅くなった」

時刻はすでに、午後九時を回っている。
会社を出たらなぜか、滝島さんが待っていた。

「遅い!」

「えっ、は?
なんで?」

「さみーし腹減ってんだ。
さっさと歩け!」

「えっ、はっ?」

戸惑っている私の腕を掴み、説明なんか無しで滝島さんは歩きだす。
少し歩いて入ったのは、いつぞや来たビアバーだった。

「ヴァイツェンとアップルエール。
あとシーザーサラダと自家製ソーセージ。
とりあえず以上で」