「……ごちそうさまでした」

「ん、おそまつさん」

空になった丼を手に滝島さんが立ち上がる。

「うどん、出汁に入れて温めたらいいようにしておいたから明日の昼、食え。
夜はまた、様子見に来てやるし」

話しながら彼はテキパキと片付けを進めていく。

「その。
もうひとりで大丈夫なので。
ご心配をおかけしました」

「そうか?」

片付けを済ませた滝島さんは私の前に座り、少しだけ眉間に皺を刻んだ。

「遠慮、しなくていいんだぞ」

「いえ。
インフルエンザとかうつったら大変なのに、こんなにしていただいて感謝しています。
……でも、なんで滝島さんが?」