夜になって滝島さんが様子を見に来た。

「滝島さん!」

夕方には熱も下がったみたいで、だるさはもうほとんどない。

「んー、熱は下がったか」

その大きな手を私の額につけ、熱がないかどうかみてくる。

「ん、もう下がったみたいだな」

マスクのせいで目だけしか見えない滝島さんがにぱっと笑う。
なんだかその笑顔にぽっと頬が熱くなったけど……また熱が上がってきたのかな。

「食欲はあるかー」

「あの……」

――ぐぅぅぅぅっ!

答えるより早く、お腹が鳴った。

「上等」

コートとジャケットを脱ぎ捨て、袖捲りで滝島さんがキッチンへ向かう。

「うどん作ってやるからちょっと待ってろ」