優しい声が私の鼓膜を揺らす。
それに滝島さんからは暖かい日だまりのような匂いがして、安心できる。

「……はい」

再び私をベッドに寝かせ、滝島さんはそっと私の目を閉じさせた。

「いいから眠れ。
眠るまで傍にいてやるから」

「……はい」

滝島さんの手が私のあたまを撫でる。
そのままゆっくりと眠りへと落ちていった――。



翌日の月曜、会社へ連絡を入れたら大石課長もインフルエンザで休んでいた。
お子さんが先週半ばにインフルエンザにかかり、大石課長も具合が悪かったんだって。
金曜日に顔がちょっと赤かったのはきっと、熱があったに違いない。
そんな状態で出てこないでよ!
まあさすが、熱があっても出社を強要する人だ、と言えるけど。

「具合はどうだ?」