考えているうちに再び鳴る。
でも彼なら、私が起きるのはつらいだろうからって、合鍵を借りて帰った。

――ピンポン、ピンポン、ピンポン!

それは出ないでいたら連打に変わる。

「おい、茉理乃!
いねーのか!」

外から怒鳴る声は、英人、だった。
近所迷惑になるといけないので、重い身体を引きずって玄関へ向かう。

「……はい」

「俺様が来てやったのに、その態度はなんだ!?
上がるぞ!」

こっちは具合が悪いというのに、勝手な言い分で英人が部屋に上がり込んでくる。

「おい、メシ!」

横柄にテーブルの前に座り、それ以上はなにも言わずに携帯を取りだして英人はいじりだした。
あきらかに具合が悪い私にこれっていったい、なんなんだろう。