「でも……」

「わかった。
伊深が眠ったら帰る。
でも明日、また来るからな。
病院、行かなきゃならないだろ」

「……はい」

滝島さんの手が、そっと私の額に触れる。
ひんやりとした手が、気持ちいい。

「たき、しま、さん。
あり、が、とう」

「いいから寝ろ」

「……はい」

熱が高くて苦しいはずなのに、私のあたまを撫でる滝島さんの手に安心する。
そのまま穏やかに、眠りに落ちていった……。

目が覚めたら暗くなっていた。
もちろん、滝島さんの姿はない。

「喉、乾い、た……」

起き上がるのもだるい。
どうにか寝返りを打ったら、買った覚えのないイオンウォーターのペットボトルが見えた。