「……っ」

話した……気がしないでもない。
あのあと、ふたりで行ったバーで。

「あなただって教えてくれたら……!」

「騒いでもいいけど、もう他のメンバー来るぞ」

「よう、ミツミ!」

間髪入れず、同じ年くらいの男性が男――ミツミさんの肩を後ろから叩き、ビクッとした。
も、もしかしていまの、聞かれていた……?

「『SMOOTH(スムーズ)』さん、ひさしぶり!」

ミツミさんはその人と親しげに握手なんか交わしている。
呼ばれた名前からして彼は大手家電メーカーSMOOTHの中の人さんだろう。

「ミツミさーん」

今度はセクシーな女性の声がしてそちらを向けば、声と同じくセクシーな女性が手を振りながら近づいてきた。

「『サガ』さん!
えっ、ハイヒール!?
マジですか!?」