今の話……何?あたしと海翔先輩が幼馴染みって……どういうこと?。あたしには何故か分からないけど、小学生以前の記憶が全くない。
もしかして……あたしは大事な記憶を無くしているのかな?。今まで……何故幼い頃の記憶がないのか?深く考えたことなんて無かった。
あたしは盗み聞きしたことを後悔した。後悔したあたしは、お弁当を廊下に置いて、その場を立ち去った。
もしかして……手を繋いだ時に感じた、あの懐かしさは過去に海翔先輩と繋いだことがあるからなのかな?。
一葉先輩と話している時の海翔先輩は、なんとなく寂しそうな声をしていた。
あたしは盗み聞きした罪悪感から予鈴がなってから教室に戻った。そしたら何故かあたしの教室の前に海翔先輩がいた。
「亜優……なんで生徒会室の中に入って来なかったんだよ!?」
「だって……一葉先輩と大事な話をしてるみたいだったから、邪魔するの悪いと思ったから」
「これからはそんなことは気にせずに遠慮しないで堂々と入って来ればいい」
「は……はい」
海翔先輩に両手て軽く頬を触られ、顔が熱くなっていく。頬が紅潮していってるのを感じる。すると海翔先輩からお弁当箱を返された。
「美味かったよ。今日みたいなことしないように、明日からは昼休みになったら迎えに来る」
そう言って海翔先輩は自分の教室に戻って行った。
「亜優、ところで……何処に行ってたの」
「中庭に1人でいたよ」
「まぁ会長と副会長が二人で話をしてたら、入りずらいよね」
「なんか大事な話してるみたいだったからね」
「それなら私たちの所に戻ってくれば良かったのに一人で中庭にいたなんて」
「そうだね。でも……ちょっと1人になりたかったんだよね」