あたしは花帆に昨日と今朝のことを相談してみることにした。
「親衛隊の人達のことが気になるなら、たぶん……それは恋だよ」
「でも……解散したって話を本当に信じていいのかな」
「やっぱり気にしてる。それは恋をしている証拠だよ」
あたしは海翔先輩の親衛隊の中の一人になったつもりでいたのに……。それを嫌だと思ってる自分がいることに頭が混乱してきた。
恋愛なんて正直な話……分からない。だから考えるのは止めようと思った。分からないことを考えても時間の無駄だし。
何も考えず真面目に授業を聞いていたら、午前中の授業は終わっていた。
昼休みになりあたしは二人分のお弁当を持って生徒会室に向かった。
昨日からの約束だし、海翔先輩の命令は絶対で、あたしには拒否権がないから。生徒会室の前に着くと何故か、中から話し声が聞こえてきた。
あたしは盗み聞きはいけないと思いながら、聞かずにはいられなかった。
海翔先輩が話している相手は、副会長の原田一葉先輩のようだ。
「亜優ちゃんとはどうなってんの。彼女と付き合い始めてから、変わった気がするんだよね」
「今は強引に付き合って貰ってるだけだ」
「亜優ちゃんは、きっと……そのうち、海翔のことを好きになるよ」
「そうじゃないんだ。俺は亜優のことを、昔から知ってるんだ。実は亜優とは幼馴染みだったんだよ」
「でも亜優ちゃんは、海翔のこと知らないみたいだけど……なんでなの?」