学校へ行くと何故かあたしと海翔先輩は既に、公認カップルになっていて、みんなから冷やかされる始末。
強引に彼女にされただけなのに……それに海翔先輩からは『好きだ』って言葉をまだ言われてないのに……。
あたしと海翔先輩の関係って……どうなんだろう。仕方なく付き合うことにしたけど……海翔先輩と手を繋ぐ度に感じる懐かしさがだけが気になる。
教室に行くと花帆が近寄って来た。そして二人でベランダに出て話し始めた。
「亜優は……海翔先輩に“恋”したんじゃないの?。顔が赤いよ」
「エッ、まさか……」
「どうせ……亜優は今でも尾方先輩が好きだって思っているんでしょ」
「そうだけど……」
「じゃあ下を見て」
花帆が指を指し方向には尾方先輩がいた。見た感じ尾方先輩は、女の子から告白されている様に見えた。やっぱり尾方先輩は人気あるんだなと思った。
だけど……ショック受けてない自分がに気付いた。尾方先輩が告白されている光景を見てもショックを受けていない自分に驚いている。
もしかすると……海翔先輩や花帆が言ってる恋”と“憧れ”が違うってこういうことなのかな?。
あたしが尾方先輩に抱いている感情は憧れだったんだ……恋ではないんだ。
だけど海翔先輩に恋心を抱いているなんて……それだけは絶対に有り得ない。仕方なく付き合っているだけなんだから。
「今の様子だと、亜優がショック受けてる感じには見えないんだけど……」
「うん、図星だよ」
「たぶん……だけど亜優は海翔先輩に惹かれてると思うよ。自分で気付いてないだけで」