「わ、悪気はなかったんだん……。まさか、おじいちゃんが本当にあんなコトになるとは思わなかったし、“セブン屋さん”がどうやって仕事するのか知りたかったし……」

少年の代わりに一家の父親があたふたと言い訳をした。

彼が言う、セブン屋とは質屋を指す隠語である。(しち)(しち)を掛けた言葉である。現在とは違い、質屋に行くことが憚られた時代。利用者たちの間で使われ始めた言葉だと言われている。

「わかりました。当店をご信頼いただけないのならば致し仕方ありません。買い取りました景徳鎮はお返し致します。なお、今回は『特別出張買い取り』における実費のみ承ります。では失礼」

【店長】はそれだけ話すとクルリと背を向け、茫然としたこの家の家族を残して、すたすたと歩き出した。