もしかして樹々も私同様に知られたくない過去とかあるのだろうか。辛くて誰にも言いたくない過去があるのだろうか。
でも仮にそんな過去があったとしても、知りたくないのが私の本音。
興味がないとかそう言う意味じゃなくて樹々の素顔を聞くのが辛い。
ただ私にとって、いつまでも破天荒な樹々で居て欲しい。
それ以外の樹々は心の底から知りたくない。
城崎さんと樹々の会話はまだまだ続く。
ちなみに橙磨さんはアイスコーヒーをすすりながら携帯電話を眺めている。
何をしているかは詳しくはわからない。
「今日はどんな所行ってきたの?」
「食品会社です。ただ企業の紹介と映像を見せられただけですけど」
「樹々ちゃん、食品関係とか興味あるの?」
あまり自信がないのか、樹々の声も元気が無くなっていく。
「いや。というより、進路の先生がその説明会でも行ってこいとか言っていたので。正直、就職先の企業も何があるか分からないし、あたしも知識はあった方がいいかなって」
「ふーん」
ポケットから煙草とライターを取り出す城崎さんの表情は曇っていた。
落ち着いた表情で、いつの間にか下を向く樹々の表情を伺っている。
どうやら樹々は本気で進路については悩んでいるらしい。
いつもの破天荒な樹々の姿ではなく、進路に悩む普通の高校三年生だ。
普段とは全然違う樹々の姿だから、私は少し驚いている。
でもやっぱり樹々は樹々だ。
突然彼女はいつもの笑みを見せる。
まるで、それを伝えるためにここに来たかのような樹々の変わり様。
「でもそこの食品会社の人事部の人が、あたしの知り合いだったんです!話していたら、『面接日さえしっかり来てくれたら採用してくれる』って言ってました!」
大きく、ハキハキとした明るい口調で話す樹々。
顔もとても嬉しそうな笑顔だ。
携帯電話を触っていた橙磨さんも驚いた様子を見せている。
どうやらこれが樹々が言っていた『進展があった』の意味のようだ。
『就職はほぼ決まったよ』と言うような、樹々の満面の笑み。
だけど私には何故だか不安が先走る。
もちろん橙磨さんのように驚きもあったが何故だか引っ掛かる。
そしてその感情は私だけではなく、目の前の城崎さんも同じのようだ。
煙草を吹かす城崎さんは見ていて少しだけ怖い。
でも仮にそんな過去があったとしても、知りたくないのが私の本音。
興味がないとかそう言う意味じゃなくて樹々の素顔を聞くのが辛い。
ただ私にとって、いつまでも破天荒な樹々で居て欲しい。
それ以外の樹々は心の底から知りたくない。
城崎さんと樹々の会話はまだまだ続く。
ちなみに橙磨さんはアイスコーヒーをすすりながら携帯電話を眺めている。
何をしているかは詳しくはわからない。
「今日はどんな所行ってきたの?」
「食品会社です。ただ企業の紹介と映像を見せられただけですけど」
「樹々ちゃん、食品関係とか興味あるの?」
あまり自信がないのか、樹々の声も元気が無くなっていく。
「いや。というより、進路の先生がその説明会でも行ってこいとか言っていたので。正直、就職先の企業も何があるか分からないし、あたしも知識はあった方がいいかなって」
「ふーん」
ポケットから煙草とライターを取り出す城崎さんの表情は曇っていた。
落ち着いた表情で、いつの間にか下を向く樹々の表情を伺っている。
どうやら樹々は本気で進路については悩んでいるらしい。
いつもの破天荒な樹々の姿ではなく、進路に悩む普通の高校三年生だ。
普段とは全然違う樹々の姿だから、私は少し驚いている。
でもやっぱり樹々は樹々だ。
突然彼女はいつもの笑みを見せる。
まるで、それを伝えるためにここに来たかのような樹々の変わり様。
「でもそこの食品会社の人事部の人が、あたしの知り合いだったんです!話していたら、『面接日さえしっかり来てくれたら採用してくれる』って言ってました!」
大きく、ハキハキとした明るい口調で話す樹々。
顔もとても嬉しそうな笑顔だ。
携帯電話を触っていた橙磨さんも驚いた様子を見せている。
どうやらこれが樹々が言っていた『進展があった』の意味のようだ。
『就職はほぼ決まったよ』と言うような、樹々の満面の笑み。
だけど私には何故だか不安が先走る。
もちろん橙磨さんのように驚きもあったが何故だか引っ掛かる。
そしてその感情は私だけではなく、目の前の城崎さんも同じのようだ。
煙草を吹かす城崎さんは見ていて少しだけ怖い。