「カウンター、テーブル席、好きな席に座ってね」
そう言って城崎さんは自分のポジションであるカウンターへ戻っていく。
城崎さんの先ほどの言葉通り、店内のテーブル席にはお客さんは居ない。
カウンターにも一人だけ。
でもその一人だけのお客さん、見たことある気がする。
最初はテーブル席にしようかと思っていたが、樹々もカウンター席のお客さんに気付いたようだ。
「ってあれ?川島さんじゃないですか?」
お客さんの川島橙磨(カワシマ トウマ)さんは、アイスコーヒーをストローで吸った所だった。
そして彼もこちらに気が付いたのか、驚いた表情を見せている。
「そういえば松川さんも常連だったね。よく来るの?」
「あたしも結構な頻度で来ます。川島さんもここによく来るんですか?」
「まあちょくちょく。アイツのお気に入りの店だったからかね」
橙磨さんが言う『アイツ』とは、とある事故で今も眠り続ける双子の妹の川島桃花(カワシマ モモカ)さんのことを言っているんだろう。
城崎さんも川島さんの過去を知っているのか、『その話は止めといたほうがいい』と言わんばかりに表情が曇っていたし。
一方の樹々はアイツという人物に興味がないのか知らないのか、気づかないフリをしているのか分からない。
いつものテンションの高さは変わらない。
「へぇー!そうなんですね。じゃあ隣にお邪魔しようかな」
樹々が橙磨さんの隣に座ると、私も彼女の後を追うように樹々の隣に座る。
樹々を真ん中に、カウンター席に腰掛ける私達。
そんな中、隣の笑顔の樹々を見た橙磨さんは呟く。
そう言って城崎さんは自分のポジションであるカウンターへ戻っていく。
城崎さんの先ほどの言葉通り、店内のテーブル席にはお客さんは居ない。
カウンターにも一人だけ。
でもその一人だけのお客さん、見たことある気がする。
最初はテーブル席にしようかと思っていたが、樹々もカウンター席のお客さんに気付いたようだ。
「ってあれ?川島さんじゃないですか?」
お客さんの川島橙磨(カワシマ トウマ)さんは、アイスコーヒーをストローで吸った所だった。
そして彼もこちらに気が付いたのか、驚いた表情を見せている。
「そういえば松川さんも常連だったね。よく来るの?」
「あたしも結構な頻度で来ます。川島さんもここによく来るんですか?」
「まあちょくちょく。アイツのお気に入りの店だったからかね」
橙磨さんが言う『アイツ』とは、とある事故で今も眠り続ける双子の妹の川島桃花(カワシマ モモカ)さんのことを言っているんだろう。
城崎さんも川島さんの過去を知っているのか、『その話は止めといたほうがいい』と言わんばかりに表情が曇っていたし。
一方の樹々はアイツという人物に興味がないのか知らないのか、気づかないフリをしているのか分からない。
いつものテンションの高さは変わらない。
「へぇー!そうなんですね。じゃあ隣にお邪魔しようかな」
樹々が橙磨さんの隣に座ると、私も彼女の後を追うように樹々の隣に座る。
樹々を真ん中に、カウンター席に腰掛ける私達。
そんな中、隣の笑顔の樹々を見た橙磨さんは呟く。