「茜ちゃん。先に車へ戻ってるよ」
そう私を呼び掛ける栗原先生は、私の代わりに春茶先生を連れて先に横断歩道を渡る。
私も慌てて横断歩道を渡ろうとしたけど、目の前の樹々の姿を見て自然と足が止まった。
「じゃあ私、友達と電車で帰ります」
栗原先生は私に笑みを見せた。
『気を付けてね』と言うような、栗原先生には全く似合わない表情。
信号が青になっても私は立ち止まっていたから、信号は再び赤に変わった。
赤信号で止まっていた車が動き出す。
そんな中、樹々は私に愚痴を一つ溢した。
「ってか終わったんだったら、あたし来た意味ないじゃん」
「連絡したら良かったのに。ってか来るの知らなかったし。あとメールしたし」
「そもそも茜がコンサートの日を教えくれないのが悪い」
「え?」
樹々の言葉の意味が分からなかった訳じゃない。
上手く聞こえなかった。
大きなトラックが目の前を通ったから、エンジン音で全く聞き取れなかった。
一方の樹々は何故だか私を睨んでいる。
私、何か変なことしてしまったのだろうか?
まあでも、今はそんなことよりもっと大事なことがある。
そう私を呼び掛ける栗原先生は、私の代わりに春茶先生を連れて先に横断歩道を渡る。
私も慌てて横断歩道を渡ろうとしたけど、目の前の樹々の姿を見て自然と足が止まった。
「じゃあ私、友達と電車で帰ります」
栗原先生は私に笑みを見せた。
『気を付けてね』と言うような、栗原先生には全く似合わない表情。
信号が青になっても私は立ち止まっていたから、信号は再び赤に変わった。
赤信号で止まっていた車が動き出す。
そんな中、樹々は私に愚痴を一つ溢した。
「ってか終わったんだったら、あたし来た意味ないじゃん」
「連絡したら良かったのに。ってか来るの知らなかったし。あとメールしたし」
「そもそも茜がコンサートの日を教えくれないのが悪い」
「え?」
樹々の言葉の意味が分からなかった訳じゃない。
上手く聞こえなかった。
大きなトラックが目の前を通ったから、エンジン音で全く聞き取れなかった。
一方の樹々は何故だか私を睨んでいる。
私、何か変なことしてしまったのだろうか?
まあでも、今はそんなことよりもっと大事なことがある。