この会場へは栗原先生の車で来た。
家までは遠く約一時間半の長い移動時間。
きっと帰りの車では疲れて寝てしまうだろう。
その車のある駐車場へ向かうには交差点を渡る必要があるが、信号は赤。
目の見えない春茶先生の手を握る私は交差点で立ち止まっていた。
一方で、目の前の大きな駅から出てくる様々な人達もすぐに信号に捕まる。
疲れた表情のサラリーマンや、部活帰りと思われる学校指定のジャージの学生。
他にも制服を来た女子高校生の姿もある。
黒染めしたような不自然なほど真っ黒な髪の女の子。
顔は可愛らしく、鞄には熊のぬいぐるみがぶら下がっている。
と言うかその女の子の制服、私の通う高校と同じ制服だ。
夏服である白いポロシャツに紺のスカート。
ポロシャツを採用している高校は、私の通う高校しかないはずだし。
それにその女の子、見覚えがある。
いつも私の側にいる女の子にそっくりだから、私は思わず名前を口にしてしまう。
「えっ、樹々?」
髪色や雰囲気はいつも違うが、目の前の女の子は間違いなく私の友達の松川樹々だ。
誰かと連絡を取っているのか、樹々は自分の携帯電話を見ている。
私にはまだ気付いていない様子だ。
そんな彼女に視線を送っていた私の携帯電話が突然鳴った。
『まさか』と思って相手を確認したら、その『まさか』だった。
家までは遠く約一時間半の長い移動時間。
きっと帰りの車では疲れて寝てしまうだろう。
その車のある駐車場へ向かうには交差点を渡る必要があるが、信号は赤。
目の見えない春茶先生の手を握る私は交差点で立ち止まっていた。
一方で、目の前の大きな駅から出てくる様々な人達もすぐに信号に捕まる。
疲れた表情のサラリーマンや、部活帰りと思われる学校指定のジャージの学生。
他にも制服を来た女子高校生の姿もある。
黒染めしたような不自然なほど真っ黒な髪の女の子。
顔は可愛らしく、鞄には熊のぬいぐるみがぶら下がっている。
と言うかその女の子の制服、私の通う高校と同じ制服だ。
夏服である白いポロシャツに紺のスカート。
ポロシャツを採用している高校は、私の通う高校しかないはずだし。
それにその女の子、見覚えがある。
いつも私の側にいる女の子にそっくりだから、私は思わず名前を口にしてしまう。
「えっ、樹々?」
髪色や雰囲気はいつも違うが、目の前の女の子は間違いなく私の友達の松川樹々だ。
誰かと連絡を取っているのか、樹々は自分の携帯電話を見ている。
私にはまだ気付いていない様子だ。
そんな彼女に視線を送っていた私の携帯電話が突然鳴った。
『まさか』と思って相手を確認したら、その『まさか』だった。