帰るとリビングで重たそうな会話をしながら、お酒を片手にご飯を食べる朱羽お兄ちゃんとお父さんに『ただいま』と声を掛けた。
何の話をしているかは分からないけど、私は気にせず自分の部屋へ向かう。

部屋に付いたら、私は制服のままでベッドに飛び付いた。
樹々に押し倒されて、制服には多少の土がついていると言うのに私はベッドにダイブした。

そして枕を抱き抱えて、ニヤニヤと笑みを溢していた。
『明日から楽しみ』って思っていたら、不思議と笑顔が止まらない。

自分で言うのも変だけど、『頑張って勇気を出して良かった』って思う。

ようやく私も『前に進めた』と思う・・・・。

まあ、全部親友のおかげだけど・・・・。
結局私、助けられてばっかりだし。

でもそれでもいいのかな?って思う。
仲間がいるってすごいことだと思うし。

確かに、私自身はそこまで行動していない。
自分の夢に向かって走り続けたけど、殆ど自分からは行動していない。

誰かに敷かれたレールに沿って歩いて来ただけ・・・・・。
振り返ってみたら、本当に自分からは何もしていない・・・・・。

でもこうやって初めて自分を知ることが出来た。
知らない自分に出会えた。

いや、本当の自分の出会えた。

そして初めて前を向いて歩けるようになった。

これも全て、私の親友のを始めとした仲間のおかげ。

私を支えてくれたみんなのおかげ。

だから・・・・・・。

・・・・・・。

その仲間にしっかり恩を返していけるように私は明日を生きていきたい。
今度は私がみんなを支えて生きていきたい。

今まで私を支えてくれた仲間のように。
泣き虫の私だって、誰を支えたい。

『ありがとう』って、仲間に行動で伝えたい・・・・・。

そしてこれからの仲間と過ごす日々を大事に生きていきたい。
ずっとこれからも、もし離れてしまっても、一生仲間でいたい。

今日あなたと出会えたことが奇跡なんだから・・・・・。

仲間といる時間が、私とって『最高の宝物』だから・・・・。

・・・・・。

そんなことを思った私を邪魔をするように、兄はノックをせずに私の部屋へ入ってきた。
家では全然笑顔を見せないけど、満面の笑みを浮かべている私の姿を見て、兄は察する。

まるで私の一連の行動見てきたような言葉を、私に投げつける。