葵の本当の言葉に、私は涙が止まらなかった。
止まることのない涙は、葵の額に落ちていく。
情けなく、ただただ泣き続ける。
でも江島葵という男の子は本当に卑怯な存在だ。
こんな私にも、彼は優しく接してくれる。
こんな私、放っておいたらいいのに・・・・・・。
「だったらさ、もう一回やり直そうぜ。『あの頃』からまたやり直そうぜ。時間かかったけどさ、またやり直そう。大丈夫だって。それに、今ならお前の親友も沢山いるんだろ?だから、みんなと一緒に頑張ろう。なっ?」
いつもそうだ。
初めて葵と出会った時もそうだ。
小学生低学年の時、一人で帰る私を見て『可哀想だ』という意味の分からない理由で、葵は私に声を掛けてくれた。
『一緒に帰ろうぜ』って優しく笑顔を見せて、葵は私に声を掛けてくれた。
何一つ取り柄のない私なのに。
暗くて不器用で無愛想な女なのに。
こんな女、放っておいた方が、葵ももっと幸せな人生を歩めたかもしれないのに・・・・・。
・・・・・・・・。
江島葵。
昔から優しくて、常に明るかった。
クラスのリーダー的な存在で、私の憧れの存在。
同時に大好きな存在。
そして葵もまた、私の事が大好きなんだろう。
こんな私に優しくしてくれる人なんていない。
私を見捨てずに、笑顔で会話してくれる人はみんな私の事が大好きな人。
そう樹々が教えてくれた。
その葵の暖かさに、私は言葉が出てこない。
まるで太陽のような江島葵という『光』に、気が付けばまた泣いていた。
と言うよりずっと泣いている。
本当に泣いてばっかって言うか・・・・。
葵もそれを指摘する。
「泣くなって!でもお前、最近よく泣くようになったらしいな。昔は本当に無愛想だったのによ」
「無愛想言うな!うるさい!」
もう私は無愛想じゃないと言わんばかりに、私は大きな声で反論する。
それにその言葉、今は好きじゃないし。
私は変わったんだし。
そしてその『変わった』は、葵も認めてくれる。
「でも茜も素直になったよな。ある意味、置いてかれたのは俺の方って言うか。愛藍も茜もどんどん成長しているしよ」
そう言うと葵は上に跨がる私を持ち上げて、自分の上体を起こす。
葵に抱かれるような体型になった私は、恥ずかしく感じたから葵から離れようとするも、葵がそれを許してくれない。
昔と変わらない笑顔で、私を見つめている。
「だからさ、今度は俺に教えてくれよ。どうやったらもっと感情を出したらいいのか。どうしたらもっと笑ったり怒ったり出来るか。それを全部、俺に教えてくれよ。なっ、成長した茜ちゃんよ」
そう言って葵は更に深い笑みを私に見せた。
男の子なんだけど、どこか可愛らしさも感じる彼の無邪気な笑顔。
ってか葵も充分笑えているのに。
『葵は何を言っているんだろう?』と思いながら、私は小さく呟く。
「うん」
止まることのない涙は、葵の額に落ちていく。
情けなく、ただただ泣き続ける。
でも江島葵という男の子は本当に卑怯な存在だ。
こんな私にも、彼は優しく接してくれる。
こんな私、放っておいたらいいのに・・・・・・。
「だったらさ、もう一回やり直そうぜ。『あの頃』からまたやり直そうぜ。時間かかったけどさ、またやり直そう。大丈夫だって。それに、今ならお前の親友も沢山いるんだろ?だから、みんなと一緒に頑張ろう。なっ?」
いつもそうだ。
初めて葵と出会った時もそうだ。
小学生低学年の時、一人で帰る私を見て『可哀想だ』という意味の分からない理由で、葵は私に声を掛けてくれた。
『一緒に帰ろうぜ』って優しく笑顔を見せて、葵は私に声を掛けてくれた。
何一つ取り柄のない私なのに。
暗くて不器用で無愛想な女なのに。
こんな女、放っておいた方が、葵ももっと幸せな人生を歩めたかもしれないのに・・・・・。
・・・・・・・・。
江島葵。
昔から優しくて、常に明るかった。
クラスのリーダー的な存在で、私の憧れの存在。
同時に大好きな存在。
そして葵もまた、私の事が大好きなんだろう。
こんな私に優しくしてくれる人なんていない。
私を見捨てずに、笑顔で会話してくれる人はみんな私の事が大好きな人。
そう樹々が教えてくれた。
その葵の暖かさに、私は言葉が出てこない。
まるで太陽のような江島葵という『光』に、気が付けばまた泣いていた。
と言うよりずっと泣いている。
本当に泣いてばっかって言うか・・・・。
葵もそれを指摘する。
「泣くなって!でもお前、最近よく泣くようになったらしいな。昔は本当に無愛想だったのによ」
「無愛想言うな!うるさい!」
もう私は無愛想じゃないと言わんばかりに、私は大きな声で反論する。
それにその言葉、今は好きじゃないし。
私は変わったんだし。
そしてその『変わった』は、葵も認めてくれる。
「でも茜も素直になったよな。ある意味、置いてかれたのは俺の方って言うか。愛藍も茜もどんどん成長しているしよ」
そう言うと葵は上に跨がる私を持ち上げて、自分の上体を起こす。
葵に抱かれるような体型になった私は、恥ずかしく感じたから葵から離れようとするも、葵がそれを許してくれない。
昔と変わらない笑顔で、私を見つめている。
「だからさ、今度は俺に教えてくれよ。どうやったらもっと感情を出したらいいのか。どうしたらもっと笑ったり怒ったり出来るか。それを全部、俺に教えてくれよ。なっ、成長した茜ちゃんよ」
そう言って葵は更に深い笑みを私に見せた。
男の子なんだけど、どこか可愛らしさも感じる彼の無邪気な笑顔。
ってか葵も充分笑えているのに。
『葵は何を言っているんだろう?』と思いながら、私は小さく呟く。
「うん」