小麦色の肌に整った顔立ち。そしてスポーツをやっていそうな大きな体格。
悪ガキのような目付きの柴田愛藍は、どこからどう見ても不良少年にしか見えない。

そんな愛藍は私を見て心配してくれる。
怒っている様子はなく、不安そうな瞳。

「大丈夫か?」

愛藍の声だと再認識した私は、彼から目を逸らした。

そして小さな声で愛藍の名前を呼ぶ。

「久しぶり、愛藍」

私の言葉に愛藍はホッとした表情を浮かべた。

一方の私は、愛藍の顔を見ることが出来ない。

「元気、してるのかよ」

「う、うん」

「ピアノ、始めたんだな。それも講師はあの大石春茶さんかよ。どうりで上手いはずだぜ」

「ありがとう、ございます」

愛藍は小さく鼻で笑う。

「なんだよ、敬語なんて使いやがって。変だぞ」

ふと思った。

私、今どんな顔してるんだろうって。

目の前には、かつて私をいじめていた柴田愛藍。
最後に会ったのは小学校の卒業式だ。

お互い言葉を交わしたのは、私が保健室登校になる前が最後だったと思う。

そんな変わり果てた愛藍の姿に私は脅えていた。
同時に自分の身が心配だ。

『このあとどうなるんだろ』って。
また殴られたりするんだろうか。