だから、俺は『妄想』なんかで終わらせたくない。

それに愛藍はやった。あとは俺だけ。
俺さえ茜と仲直りできたら、またあの頃の日々が帰ってくる・・・・。

そう、帰ってくるんだ。
もう人に怯えないで過ごせる日々が帰ってくるんだ。

また明るい江島葵が帰ってくるんだ。

そのチャンスを、俺は絶対に見捨てたくない。

と言うか、そのチャンス俺が作ったんだった。
昨日俺は茜の家に行かなかったら、愛藍から電話がなかったら、茜は多分死んでいた。

後悔したまま茜は死んでいったのだろう。

だからこうして今日、茜の顔を見れたのも昨日の俺の行動があったから。
昨日の江島葵が頑張ったから、神様は俺に茜と会わせてくれたんだ。

チャンスをくれたんだ。

・・・・・・。

だったら、頑張らないと。

あと一踏ん張りで全てが終わるんだ。

早く終わらせるんだ。
そしてまた始めるんだ。

後悔したままこれから先の人生を生きたくない。
『あの時こうすればよかった』なんて言って、過去を悔やみたくない。

どうせなら、『あの時の自分がいるから今があるんだ』って将来胸を張って笑い話に変えたい。

将来の茜と、そんな話がしたい。

もう弱いままの江島葵は嫌なんだ。
俺だって強くなりたいんだ。

俺は変わりたいんだ・・・・!