初めて彼と会ったのは、夏休みが終わりに近付いたある日のこと。
そして愛藍と本音をぶつけあった日のこと。
突然降ってきた雨のように、彼は私の前に現れた。
まるで『人生なんにも面白くない』と言っているような辛い表情と共に・・・・。
草太は私と同じで、クラスの生徒からいじめらられていた。
同時にあの頃の草太はとても暗かった印象がある。
唯一の味方である母親にも相手にされなくて、草太は心を閉ざしていた。
草太の心はまるで氷漬けのように冷たく機能していなかった。
でもその心を解凍してくれたのは、私の親友だ。
今となっては昔の関係のようになった、私の親友が草太の心を開いてくれた。
まるで『俺達はマブダチだぜ!』と言っているように。
その親友が怖い表情で私を見つめている。
大きな体で私を覆うように、彼からとんでもない威圧感を感じる。
「よお、嘘つきの茜。お前結局、あの日以来草太に会ってないよな。『三人で遊ぼう』って言ったのに約束を無視しがって」
大好きな声に私は身震いをする。
同時に驚いた。
「あ、愛藍!なんでここに?」
目の前の男の子は柴田愛藍。
あの時の草太を助けてくれた『ヒーロー』のような男の子だ。
今の彼はただの『悪魔』にしか見えないけど・・・・。
「居たらダメなのか?」
「いや、そうじゃなくて。えっと・・・・」
上手く言葉が出てこない。
と言うか愛藍が居るなんて知らなかったし。
どこに隠れていた?
もしかして愛藍が草太をここに連れてきて来てくれたのだろうか。
あの日以降、『二人はよく遊んでいる』って聞いた。
それに愛藍が草太をここまで変えたのだろうか。
今の草太は明るく元気で、とてもいじめられているとは思えない少年に見えるし。
まるで樹々の妹の若槻向日葵みたいな明るい小学生だ。
それに何かスポーツでも始めたのだろうか?
冬になると言うのに、少しだけ草太は日焼けしているようにも見えた。
そんな私の疑問を愛藍が答えてくれる。
愛藍は草太の肩を二度叩くと、彼は草太と似たような笑顔を見せてくれる。
「草太、野球始めたんだぜ。ピッチャーで中々良い球投げるんだ。この前の試合も俺ら相手に好投しててよ。草太なら絶対にプロになれるって!」
聞き慣れない野球用語に私は一瞬だけ混乱したが、すぐに理解した。
同時に返す言葉を考えていたけど、嘲笑うように樹々が愛藍に噛み付く。
「それって、ただアンタが野球が下手なだけじゃないの?」
「あ?なんだとこら!」
樹々の言葉に愛藍は驚いた表情を見せる。
そういえばこの二人、水と油のような関係だっけ・・・・。
ってヤバい・・・・。
「それに聞いたよ。ウチの向日葵にもアンタ打たれみたいだね。女の子の小学生に打たれるなんてダッサいの。どうせアンタの言う草野球も球拾いばっかりしていたんでしょ?」
「球拾い言うな!こう見えても俺、かなり活躍したんだぞ!」
「でも負けたんだよね?お父さんと向日葵のチームに。だけどいいじゃん、まるでアンタの人生みたいだし。常に負け組みたいな人生なんだし」
「よーし外に出ろ。どうやら俺には敵わないって証明する必要があるみたいだな」
「出た暴力馬鹿。そうやって暴力でしか解決したことないから茜をいじめたんでしょ?考える力がなかったんでしょ?」
「な、なんだとこら!いや、確かにそうだけど・・・・。でもお前には言われたくないつーか」
・・・・・。
また始まったと、私はため息を一つ吐いた。
昨日から続く樹々と愛藍の無意味な戦い。
いつも思うけど、二人は似ているって言うか。
ってかこの二人って、結局仲がいいの?
そして愛藍と本音をぶつけあった日のこと。
突然降ってきた雨のように、彼は私の前に現れた。
まるで『人生なんにも面白くない』と言っているような辛い表情と共に・・・・。
草太は私と同じで、クラスの生徒からいじめらられていた。
同時にあの頃の草太はとても暗かった印象がある。
唯一の味方である母親にも相手にされなくて、草太は心を閉ざしていた。
草太の心はまるで氷漬けのように冷たく機能していなかった。
でもその心を解凍してくれたのは、私の親友だ。
今となっては昔の関係のようになった、私の親友が草太の心を開いてくれた。
まるで『俺達はマブダチだぜ!』と言っているように。
その親友が怖い表情で私を見つめている。
大きな体で私を覆うように、彼からとんでもない威圧感を感じる。
「よお、嘘つきの茜。お前結局、あの日以来草太に会ってないよな。『三人で遊ぼう』って言ったのに約束を無視しがって」
大好きな声に私は身震いをする。
同時に驚いた。
「あ、愛藍!なんでここに?」
目の前の男の子は柴田愛藍。
あの時の草太を助けてくれた『ヒーロー』のような男の子だ。
今の彼はただの『悪魔』にしか見えないけど・・・・。
「居たらダメなのか?」
「いや、そうじゃなくて。えっと・・・・」
上手く言葉が出てこない。
と言うか愛藍が居るなんて知らなかったし。
どこに隠れていた?
もしかして愛藍が草太をここに連れてきて来てくれたのだろうか。
あの日以降、『二人はよく遊んでいる』って聞いた。
それに愛藍が草太をここまで変えたのだろうか。
今の草太は明るく元気で、とてもいじめられているとは思えない少年に見えるし。
まるで樹々の妹の若槻向日葵みたいな明るい小学生だ。
それに何かスポーツでも始めたのだろうか?
冬になると言うのに、少しだけ草太は日焼けしているようにも見えた。
そんな私の疑問を愛藍が答えてくれる。
愛藍は草太の肩を二度叩くと、彼は草太と似たような笑顔を見せてくれる。
「草太、野球始めたんだぜ。ピッチャーで中々良い球投げるんだ。この前の試合も俺ら相手に好投しててよ。草太なら絶対にプロになれるって!」
聞き慣れない野球用語に私は一瞬だけ混乱したが、すぐに理解した。
同時に返す言葉を考えていたけど、嘲笑うように樹々が愛藍に噛み付く。
「それって、ただアンタが野球が下手なだけじゃないの?」
「あ?なんだとこら!」
樹々の言葉に愛藍は驚いた表情を見せる。
そういえばこの二人、水と油のような関係だっけ・・・・。
ってヤバい・・・・。
「それに聞いたよ。ウチの向日葵にもアンタ打たれみたいだね。女の子の小学生に打たれるなんてダッサいの。どうせアンタの言う草野球も球拾いばっかりしていたんでしょ?」
「球拾い言うな!こう見えても俺、かなり活躍したんだぞ!」
「でも負けたんだよね?お父さんと向日葵のチームに。だけどいいじゃん、まるでアンタの人生みたいだし。常に負け組みたいな人生なんだし」
「よーし外に出ろ。どうやら俺には敵わないって証明する必要があるみたいだな」
「出た暴力馬鹿。そうやって暴力でしか解決したことないから茜をいじめたんでしょ?考える力がなかったんでしょ?」
「な、なんだとこら!いや、確かにそうだけど・・・・。でもお前には言われたくないつーか」
・・・・・。
また始まったと、私はため息を一つ吐いた。
昨日から続く樹々と愛藍の無意味な戦い。
いつも思うけど、二人は似ているって言うか。
ってかこの二人って、結局仲がいいの?