『今から二人で話したいから、少し会えないかな?図書室で待ってるよ。もちろん樹々ちゃんには内緒でね』

短いメールの内容を樹々は確認する。
そして私がなんで樹々に言いたくなかったのか、樹々は理解してくれたみたいだ。

「どうせあれでしょ?あたしに言ったら、『心配してついてくる』と思ったんでしょ?」

「バレてましたか・・・・」

「当たり前じゃない。何年茜と一緒にいると思うのさ?」

『だいたい三年弱』って私は言おうとしたけど、私は疑問に思った。
たったこれだけの短い期間で、樹々は私のすべてを把握しているんだ。

『桑原茜のことを、桑原茜よりも考えていてくれている』のだろう。

・・・・・・・。

私、樹々のことをまだ何も知らないのに・・・・・。
樹々は続ける。

「まあ、もちろん行くけどね。だってあたしも正直言って、今の紗季が少しだけ怖いし。多分茜と二人きりになった所を紗季は襲うつもりだよ」

「いやいや、紗季に限ってそんなこと・・・・・。」

何故だか言葉詰まる。
そのあとの私は、ただの思い付きの言葉が漏れていた。

「あるかもしない」

とんでもない私の言葉に、樹々は真っ青な表情になった。
『そりゃないだろう』と言っているような呆れた表情で私を見ている。

「えっ、ホントに?親友をそんな風に見る茜って最低だね」

「罠か、こら」

いやだって、私は樹々の言葉に同情しただけだし。
そんなことを冗談でも例に出す樹々が悪いって言うか・・・・。

紗季が怖い理由。
それは私の関係が壊れた日に彼女が関わっていたと知ったから。

今まで紗季は『自分はウサギに餌を与えたことがある』なんて一言を言ったことがないし、もしかしたら紗季が私達の関係を壊した犯人かもしれないし。

そんなことを考えていた私は、樹々に対して不満げな表情を見せた。

一方の樹々は私を見て笑った。

「大丈夫だって、いい方法あるし」

「いい方法?」

私は首を傾げると共に、樹々の提案に耳を傾けた。

なんか、よく分からない樹々の提案・・・・・。