私は横目で求人票を確認する樹々の表情を伺う。
真剣な眼差しで、隅から隅まで大手企業や聞いたことない名前の会社を目で潰していた。
どうやら樹々、私と違って本気らしい・・・・。
そんな中、私の携帯電話のバイブ音が響いた。
相手を確認すると紗季からメールが届いていた。
『今日は月に一度の病院の日だ』と言っていたのに、何だろうと思いながらメールを確認する。
そしてそのメールを確認した私は、少し怯えた顔に変わった。
まるで悪魔のような恐ろしい内容に・・・・・。
「どうしたの?」
すぐに私の異変に気がついた樹々は、私を見て首を傾げていた。
私は否定する・・・。
「ううん。なんでも」
こんなときに、『また嘘しかつけない自分』が本当に情けない。
私も樹々を頼りたいけど、今は違うって言うか・・・・・。
「あっ、えっと・・・・。私、今日は先に帰るね」
樹々に背を向けて、私は逃げるようにこの場を去ろうとする。
だけど、樹々の言葉に私の足が止まる。
「なんで?今日はシロさんのカフェに行こうって約束していたじゃん。シロさんの新作、凄い楽しみにしているのに」
「うぅ・・・。そうだった」
私は嫌なことを思い出した。
今日は現状の報告と、城崎さんのカフェで出す新メニューの試食会。
昨日まで散々働いていたのと言うのに、呆れ返るほどタフな城崎さんだも思わされる。
本当は今日は定休日のはずなのに。
城崎さんに趣味とかないのだろうか?
それと今の城崎さんに会いたくない。
自殺したなんて知られたら、真っ先に私を弄ってくるだろうし。
城崎さんと栗原先生には絶対に会いたくない・・・・・。
そんなことを考えていたら、いつの間にか樹々は怒った表情を見せていた。
私に詰め寄る樹々・・・・。
「茜、また何かあたしに隠しているんでしょ?」
「いや、別に・・・・・。何て言うか、今日はピアノ弾きたい日だし」
私に詰め寄る樹々に対して、私は下手くそな嘘を必死に考えてみた。
でも『下手くそな嘘』だからか、私の言葉の直後、樹々の表情が緩んだ。
悪いことを考えるような、イタズラ好きの子供みたいな笑顔を見せてくる。
「『茜が指を動かして話す時は嘘をついている』って、もしかして自分でも気付いていないの?」
「いや、そういう訳じゃ・・・・その」
見破られた私は崖っぷちに追い込まれていた。
動揺しているからか、嘘に嘘を重ねて、また空っぽの引き出しから知恵を探す。
「今日はお兄ちゃんとどこかに行く日なんだ。だからその・・・・行ってきます」
「『どこか』ってどこよ。言ってみなさいよ」
私の言葉を弾き飛ばすような樹々の言葉。
というか最近の樹々、城崎さんに似てない?
「いや、お兄ちゃんがその・・・・内緒にしているから、分からないって言うか、なんて言うか・・・・・」
その私の言葉の直後、樹々は私をからかうのが馬鹿らしいと感じたのか、樹々の表情は呆れ顔に変わっていた。
「茜いい加減にして。もう嘘つかないで」
「嘘じゃない!けど・・・・・嘘でもある。ごめんなさい・・・・」
逃げることが不可能だと思った私は、素直に樹々に私の携帯電話を差し出した。
紗季から届いたメールの内容を見る。
・・・・・・・。
真剣な眼差しで、隅から隅まで大手企業や聞いたことない名前の会社を目で潰していた。
どうやら樹々、私と違って本気らしい・・・・。
そんな中、私の携帯電話のバイブ音が響いた。
相手を確認すると紗季からメールが届いていた。
『今日は月に一度の病院の日だ』と言っていたのに、何だろうと思いながらメールを確認する。
そしてそのメールを確認した私は、少し怯えた顔に変わった。
まるで悪魔のような恐ろしい内容に・・・・・。
「どうしたの?」
すぐに私の異変に気がついた樹々は、私を見て首を傾げていた。
私は否定する・・・。
「ううん。なんでも」
こんなときに、『また嘘しかつけない自分』が本当に情けない。
私も樹々を頼りたいけど、今は違うって言うか・・・・・。
「あっ、えっと・・・・。私、今日は先に帰るね」
樹々に背を向けて、私は逃げるようにこの場を去ろうとする。
だけど、樹々の言葉に私の足が止まる。
「なんで?今日はシロさんのカフェに行こうって約束していたじゃん。シロさんの新作、凄い楽しみにしているのに」
「うぅ・・・。そうだった」
私は嫌なことを思い出した。
今日は現状の報告と、城崎さんのカフェで出す新メニューの試食会。
昨日まで散々働いていたのと言うのに、呆れ返るほどタフな城崎さんだも思わされる。
本当は今日は定休日のはずなのに。
城崎さんに趣味とかないのだろうか?
それと今の城崎さんに会いたくない。
自殺したなんて知られたら、真っ先に私を弄ってくるだろうし。
城崎さんと栗原先生には絶対に会いたくない・・・・・。
そんなことを考えていたら、いつの間にか樹々は怒った表情を見せていた。
私に詰め寄る樹々・・・・。
「茜、また何かあたしに隠しているんでしょ?」
「いや、別に・・・・・。何て言うか、今日はピアノ弾きたい日だし」
私に詰め寄る樹々に対して、私は下手くそな嘘を必死に考えてみた。
でも『下手くそな嘘』だからか、私の言葉の直後、樹々の表情が緩んだ。
悪いことを考えるような、イタズラ好きの子供みたいな笑顔を見せてくる。
「『茜が指を動かして話す時は嘘をついている』って、もしかして自分でも気付いていないの?」
「いや、そういう訳じゃ・・・・その」
見破られた私は崖っぷちに追い込まれていた。
動揺しているからか、嘘に嘘を重ねて、また空っぽの引き出しから知恵を探す。
「今日はお兄ちゃんとどこかに行く日なんだ。だからその・・・・行ってきます」
「『どこか』ってどこよ。言ってみなさいよ」
私の言葉を弾き飛ばすような樹々の言葉。
というか最近の樹々、城崎さんに似てない?
「いや、お兄ちゃんがその・・・・内緒にしているから、分からないって言うか、なんて言うか・・・・・」
その私の言葉の直後、樹々は私をからかうのが馬鹿らしいと感じたのか、樹々の表情は呆れ顔に変わっていた。
「茜いい加減にして。もう嘘つかないで」
「嘘じゃない!けど・・・・・嘘でもある。ごめんなさい・・・・」
逃げることが不可能だと思った私は、素直に樹々に私の携帯電話を差し出した。
紗季から届いたメールの内容を見る。
・・・・・・・。