兄が渡してれたハンカチで再び涙を拭った私は、再び兄の方を見た。
兄は小さく頷きながら、注文した料理を突っついている。
「さっいっぱい食え。死んだら『美味しいご飯』も食べれなくなるのぞ」
そう言った兄は、いつの間にか頼んでいたシーザーサラダを取り皿に分けて私と樹々に渡してくれた。
同時に兄は愚痴を溢した。
「大人になったらもっと辛いぞ。上司は気持ち悪いし、部下は言うこと聞かないし。仕事を終わらしたら、何故か今日の仕事が増えているし。昇格しても給料は対して変わらないし、責任感増えるしマジ勘弁。だから大人はお酒を飲んでも良いし、タバコも吸ってもいいんだよ。今が嫌だと思うなら、早く大きくなって成長しろよ」
大人。
兄はその言葉には敏感のようだ。
幼い時から私の子守りをしていた兄は、常に大人のような存在だといつも私は思う。
そして兄自身も『自分は大人なんだ』と自分に言い聞かせて生きてきたのだろう。
情けない妹のために、愚痴を溢しながらも命かけて働いくれている。
・・・・・。
だったら、私も早く大人になりたい。
いつまでも兄に頼りっきりはよくないし、今度はお兄ちゃんを助けたい。
それに大人になったら何か違う世界が見えるのだろうか?
もし『ある』とするのなら、その世界に私は興味がある。
「じゃあお兄ちゃん、早く大人になる方々教えて」
「ん?そうだな、じゃあ」
無意識に呟いた私の声に、兄は私の前に料理を置いた。
ヌメヌメして気持ち悪い料理だ。
「なにこれ?」
「たこわさ。美味いぞ」
「たこわさ?」
初めて聞く料理に、私は首を傾げた。
大葉の上に寄せられたヌメヌメとした「たこわさび』と言う料理。
正直言って、『気持ち悪い』と思った。
『こんなの本当に食べられるのか』って。
でも何事も挑戦だ。
初めての経験って何だか頑張れるし、振り返ったときに楽しく感じる。
それに『これが大人になる初めての試練』だと思ったら、何だか『たこわさ』という料理も美味しそうに見えてきた。
私は箸を使ってそのたこわさを掴むと、そのまま口に運んだ。
味わうと共に、私の表情が強ばる・・・・。
・・・・・。
そういえば私、ワサビ嫌いなのを忘れていた。
お寿司を食べたときも、いつもワサビ抜きをの寿司を食べていたし。
あの刺激があまり好きじゃない・・・・・。
だから、このたこわさびもそうだ。
口に入れた瞬間に、強い刺激が私を襲う。
一瞬吐き出しそうになったけど、すっかり炭酸の抜けてしまったジンジャーエールを飲んで流した。
そして刺激が消えた私は小さな息を一つ吐いた。
本音を言えば、ちょっとキツイ・・・。
・・・・・。
兄は小さく頷きながら、注文した料理を突っついている。
「さっいっぱい食え。死んだら『美味しいご飯』も食べれなくなるのぞ」
そう言った兄は、いつの間にか頼んでいたシーザーサラダを取り皿に分けて私と樹々に渡してくれた。
同時に兄は愚痴を溢した。
「大人になったらもっと辛いぞ。上司は気持ち悪いし、部下は言うこと聞かないし。仕事を終わらしたら、何故か今日の仕事が増えているし。昇格しても給料は対して変わらないし、責任感増えるしマジ勘弁。だから大人はお酒を飲んでも良いし、タバコも吸ってもいいんだよ。今が嫌だと思うなら、早く大きくなって成長しろよ」
大人。
兄はその言葉には敏感のようだ。
幼い時から私の子守りをしていた兄は、常に大人のような存在だといつも私は思う。
そして兄自身も『自分は大人なんだ』と自分に言い聞かせて生きてきたのだろう。
情けない妹のために、愚痴を溢しながらも命かけて働いくれている。
・・・・・。
だったら、私も早く大人になりたい。
いつまでも兄に頼りっきりはよくないし、今度はお兄ちゃんを助けたい。
それに大人になったら何か違う世界が見えるのだろうか?
もし『ある』とするのなら、その世界に私は興味がある。
「じゃあお兄ちゃん、早く大人になる方々教えて」
「ん?そうだな、じゃあ」
無意識に呟いた私の声に、兄は私の前に料理を置いた。
ヌメヌメして気持ち悪い料理だ。
「なにこれ?」
「たこわさ。美味いぞ」
「たこわさ?」
初めて聞く料理に、私は首を傾げた。
大葉の上に寄せられたヌメヌメとした「たこわさび』と言う料理。
正直言って、『気持ち悪い』と思った。
『こんなの本当に食べられるのか』って。
でも何事も挑戦だ。
初めての経験って何だか頑張れるし、振り返ったときに楽しく感じる。
それに『これが大人になる初めての試練』だと思ったら、何だか『たこわさ』という料理も美味しそうに見えてきた。
私は箸を使ってそのたこわさを掴むと、そのまま口に運んだ。
味わうと共に、私の表情が強ばる・・・・。
・・・・・。
そういえば私、ワサビ嫌いなのを忘れていた。
お寿司を食べたときも、いつもワサビ抜きをの寿司を食べていたし。
あの刺激があまり好きじゃない・・・・・。
だから、このたこわさびもそうだ。
口に入れた瞬間に、強い刺激が私を襲う。
一瞬吐き出しそうになったけど、すっかり炭酸の抜けてしまったジンジャーエールを飲んで流した。
そして刺激が消えた私は小さな息を一つ吐いた。
本音を言えば、ちょっとキツイ・・・。
・・・・・。