「分かるわけないだろ、お前のくだらない気持ちなんて。『茜みたいな悲しい思考で生まれなくて良かった』って心の底から思うよ」

「ちょっと!朱羽さん!言い過ぎですって!」

樹々が私を助けようと兄に反論するけど、兄は聞いていない。
なに食わぬ顔で、コーラを注文していた。

店員は心配そうに私を見ているけど、兄は笑顔で店員を帰した。

その舐め腐った態度を見て、私が思ったことは二つ。
兄を頼った自分がバカだったこと。

そして『なんで私は死に損ねたのだろう』と、後悔していた。

だから、私はこの場から離れようと思った。
そして『今度こそちゃんと自殺しよう』と心に決めた。

邪魔のされない人目のない所で。

・・・・・・。

だって、心の底から信用していたお兄ちゃんにそんなこと言われたら、もう生きている意味がない。
もう頑張れる気がしない・・・。

「また自殺しようと考えているんじゃないだろうな?だったら、今度こそ死ねばいいんじゃねえか?その代わり、俺の迷惑の掛からない所で死ねよ」

それに、こんな時こそ私の心を正確に読んでくるんだ。
本当に腹が立つ。

二度とお兄ちゃんの顔なんて見たくない・・・・。

そう思ったら私の目から大粒の涙が溢れていた。
誰かの胸に飛び付きたい気分だけど、そんな頼れる人はもう存在しない。

「呆れた子だな。また泣きやがって。もう二度と俺の前に現れるなよ。今までありがとう。さようなら」

さよなら?
こっちから御免だ!

「うるさい!お兄ちゃんなんかに、私の気持ちなんて。私の気持ちなんて・・・・・・・!」

一度制服の袖で涙を拭った私は続けた。
最後くらいはこのわからず屋に言いたいことを言わないと私も気が済まないし。

全力を出しきってから死にたい。

だから、私は初めて自分の思いを伝える・・・・。

「私が悪いだけだから!私がみんなに迷惑かけたから。私のしたことは間違っているから。だから、葵に謝ってまた仲良くなりたい。そう思っただけなのに、それだけなのに・・・・・、なんでそんなこと言われなきゃダメなのさ!頑張っているのに、なんで酷いことを言われなきゃいけないのさ!私のペースで進んで、何がいけないのさ!私の考えが間違っているなら教えてよ!」

それが私の本音だ。
今の気持ちだ。

反論してくるならしてこい。
そしたら殴ってやるから。

私に良く似たその顔、ボコボコに殴り飛ばしてやるから。

と言うか、今から『もう一発殴ってやろう』と決めたのに・・・。

・・・・・。