時間は午後の九時を回っていた。
こんな時間に外食できる店なんてあるのかと思ったけど、大人の兄は何でも知っているみたいだ。
「樹々は何飲むんだ?ビール?それとも日本酒?」
「いや、あたし・・・・未成年なんで」
「いいじゃねーの?ちょっとくらい」
「いやいや。そういう問題じゃ。それにあたし達制服で来ちゃってますし」
「ノリ悪いよな、樹々は」
兄の言葉に樹々は苦笑いを浮かべていた。
怒ることが出来ない樹々が、いつもみんなに見せている困ったような表情を。
私達がやって来たのは、夜遅くまで営業している小さな居酒屋だった。
和を感じさせる木造の店内に、賑かな店員の声が特徴的な店。
だけど今日は赤崎祭と言うことか、お客さんはほとんどいない。
角の席で仕事帰りのサラリーマン達が飲んでいるだけだ。
一方で私達は少し広目の席に案内された。
三人しかいないのに、六人掛けの広々とした席。
その席で兄は料理のメニューを眺めていた。
何を食べようかと楽しそうにページを捲る。
樹々は初めてこういう場所に来たのか、落ち着きがない。
店内を見渡しては、接客する若い男の従業員を何度も見ていた。
その店員は『すいません』という兄の言葉に反応する。
すると店員さんは城崎さんや東雲さんがよく見せる営業スマイルを見せると、駆け足で私達のいるテーブルまで来てくれた。
「樹々は飲み物は?何飲む?」
樹々は兄の言葉に反応すると、慌ててドリンクのメニューを確認する。
「じゃあ・・・・ウーロン茶でお願いします」
「うん。そんじゃ、ウーロン茶一つとジンジャーエール二つ。あとたこわさと刺身盛りととろほっけ。樹々は何か食べたいものない?」
今度は料理のメニューを慌てて確認する樹々。
メニューには綺麗な写真が載っていて、様々な料理が載っている。
その中で樹々の目に止まったのは揚げ物のページだった。
「えっと・・・・じゃあ天ぷら盛り合せをお願いします」
「天ぷら好きなんだ」
「いえ。食べたことないので・・・・」
「まじか」
意外な樹々の解答に、兄は驚いた表情を見せる。
同時に店員も少しだけ驚いたのか、また苦笑いを浮かべる樹々の表情を見ていた。
こんな時間に外食できる店なんてあるのかと思ったけど、大人の兄は何でも知っているみたいだ。
「樹々は何飲むんだ?ビール?それとも日本酒?」
「いや、あたし・・・・未成年なんで」
「いいじゃねーの?ちょっとくらい」
「いやいや。そういう問題じゃ。それにあたし達制服で来ちゃってますし」
「ノリ悪いよな、樹々は」
兄の言葉に樹々は苦笑いを浮かべていた。
怒ることが出来ない樹々が、いつもみんなに見せている困ったような表情を。
私達がやって来たのは、夜遅くまで営業している小さな居酒屋だった。
和を感じさせる木造の店内に、賑かな店員の声が特徴的な店。
だけど今日は赤崎祭と言うことか、お客さんはほとんどいない。
角の席で仕事帰りのサラリーマン達が飲んでいるだけだ。
一方で私達は少し広目の席に案内された。
三人しかいないのに、六人掛けの広々とした席。
その席で兄は料理のメニューを眺めていた。
何を食べようかと楽しそうにページを捲る。
樹々は初めてこういう場所に来たのか、落ち着きがない。
店内を見渡しては、接客する若い男の従業員を何度も見ていた。
その店員は『すいません』という兄の言葉に反応する。
すると店員さんは城崎さんや東雲さんがよく見せる営業スマイルを見せると、駆け足で私達のいるテーブルまで来てくれた。
「樹々は飲み物は?何飲む?」
樹々は兄の言葉に反応すると、慌ててドリンクのメニューを確認する。
「じゃあ・・・・ウーロン茶でお願いします」
「うん。そんじゃ、ウーロン茶一つとジンジャーエール二つ。あとたこわさと刺身盛りととろほっけ。樹々は何か食べたいものない?」
今度は料理のメニューを慌てて確認する樹々。
メニューには綺麗な写真が載っていて、様々な料理が載っている。
その中で樹々の目に止まったのは揚げ物のページだった。
「えっと・・・・じゃあ天ぷら盛り合せをお願いします」
「天ぷら好きなんだ」
「いえ。食べたことないので・・・・」
「まじか」
意外な樹々の解答に、兄は驚いた表情を見せる。
同時に店員も少しだけ驚いたのか、また苦笑いを浮かべる樹々の表情を見ていた。