小学生の演奏が終わる。
演奏者である彼女達は一礼をすると、楽器を持って裏へと下がっていった。
少しだけ客席が明るくなると、栗原先生はパンフレットで演奏順番を確認する。
そしてそのパンフレットのページに何か書かれていたのか、栗原先生は私にもパンフレットを見せてくる。
「ほら茜ちゃん。次はあの有名なピアニストだってさ。ほら、柴田藤子さんの息子の」
見たくないが、栗原先生の声で自然と私の目に入ってしまった。
先ほど私が硬直してしまった原因となる、演奏者の名前が乗ったとあるページ。
だから自然と私の声も薄れていく。
「興味ない、です」
「そんなこと言ったらハルに怒られるよ」
「いいもん・・・」
私の声はさらに薄れていく・・・・。
同時に先程の男性の声を思い出した。
栗原先生のその一言と、そのパンフレットで・・・・・・。いや、本当は分かっていた。
ただ『彼を私の知っている人物』だと認識したくなかったから。
目を合わせれば、なんて言葉を交わしたらいいのか分からないから。
その彼と最後に会った日は七年前。
お互い少しの顔立ちや声は変わったから、知らないフリをしていればどうにかなると思っていた。
彼の事を無視したら、難は逃れられると思った。
でも本当は私が彼を意識し過ぎているからか、藍色のスーツの男の子が柴田愛藍だとすぐに分かった。
七年前の親友だと、雰囲気で分かった。
愛藍の言う通り、こんなところで再会するとはね・・・・・。
演奏者である彼女達は一礼をすると、楽器を持って裏へと下がっていった。
少しだけ客席が明るくなると、栗原先生はパンフレットで演奏順番を確認する。
そしてそのパンフレットのページに何か書かれていたのか、栗原先生は私にもパンフレットを見せてくる。
「ほら茜ちゃん。次はあの有名なピアニストだってさ。ほら、柴田藤子さんの息子の」
見たくないが、栗原先生の声で自然と私の目に入ってしまった。
先ほど私が硬直してしまった原因となる、演奏者の名前が乗ったとあるページ。
だから自然と私の声も薄れていく。
「興味ない、です」
「そんなこと言ったらハルに怒られるよ」
「いいもん・・・」
私の声はさらに薄れていく・・・・。
同時に先程の男性の声を思い出した。
栗原先生のその一言と、そのパンフレットで・・・・・・。いや、本当は分かっていた。
ただ『彼を私の知っている人物』だと認識したくなかったから。
目を合わせれば、なんて言葉を交わしたらいいのか分からないから。
その彼と最後に会った日は七年前。
お互い少しの顔立ちや声は変わったから、知らないフリをしていればどうにかなると思っていた。
彼の事を無視したら、難は逃れられると思った。
でも本当は私が彼を意識し過ぎているからか、藍色のスーツの男の子が柴田愛藍だとすぐに分かった。
七年前の親友だと、雰囲気で分かった。
愛藍の言う通り、こんなところで再会するとはね・・・・・。