考えみれば、カフェ会って具体的に何をするんだろう。
知らない人とお茶を片手に話すんだろうか。

それは一体何のために。
人見知りが激しく他人との接触を拒む私に、そんなことが出来るのだろうか。

『そんな馬鹿みたいな考え、あまり気にすることではない』と、樹々に一蹴されたけど、本当なのかな。

でも考えても仕方ない。
ここまで来た以上参加は致し方ない。

誘ってもらった樹々にも申し訳無いし。

だから今はただひたすら逃げ道だけを考えよう。

最寄りの駅から電車で一駅。
そして駅から少し歩いた所に白町カフェという会場はあるらしい。

本来は電車でそのカフェに向かおうとした。

だがここは交通機関が盛んな都会ではない田舎町のため、電車は三十分に一本という現実だ。

電車で行くより歩いて行く方が早いと判断した私達は、目的地まで歩いて向かった。
約二十五分で到着した。

だけどろくに運動なんてしたことのない私の足は、既にフラフラだった。
倒れそうだし、もう帰ってもいいよね。

そんな私を笑うように隣から樹々の声が聞こえる・・・・・。

「茜って体育の成績、ヤバかったよね?」

「それがなに?」

「ピアノもいいけど、運動もしないと体が腐っちゃうよ」

私を馬鹿にするように不気味な笑みを見せる樹々。

一方で腹が立った私は、やり返そうと樹々に現実を突き付ける。