数ヵ月前、俺はたまに行くカフェの店長に『カフェ会』というものに誘われた。

店長の名前はよく覚えていないけど、綺麗な金髪の女の人だった。
すっげー美人さんっていうか。

そのカフェ会の日は塾と重なったため、俺は一人でカフェに行ってみた。
もう時間は九時前と、盛り上がる中での参加に最初は躊躇った。

人が怖い俺に『誰かと絡む勇気なんてあるのか？』って。

不安の中、俺は店内に入ると同時に周囲を確認する。
すると見覚えのある女の子が俺と目が合った。

七年前と全く変わらない姿の桑原茜の姿・・・・。

そんな彼女を見て、俺は気分が悪くなった。
だってスッゴく仲良かったのに、酷いいじめをしてしまったんだ。

まだ謝ってもないし。
七年経った今、茜にどんな顔をしたらいいのか分からなかった。
謝りたい気持ちも勿論あるけど、余計な感情が俺を邪魔をする。

と言うかいきなりの茜の登場に、マジでテンパったって言うか。

俺が迷っている中、突然茜は俺の隣を横切り逃げるように店から去っていく。
さっきまであんなに楽しそうな横顔も、俺の顔を見た途端に真っ青な表情変わっていた。

まるで最悪な人に最悪の表情を見られたかのように・・・・。

同時に俺は思った。
『やっぱり俺には茜に会う資格なんて無いんだ』ってことに。

『完全に茜に嫌われたんだ』って。

だから昨日のあの茜の泣き顔の理由も、『俺の顔を見たから』と言う言葉が相応しいのだろう。
あの時と同じように、俺の顔を見たから昔の辛い出来事を思い出して気分が悪くなったのだろう。

間違いない。

でも俺、これからどうしようか。
もう逃げることも許されないだろうし。

ダンスも失って、親友も失った俺は何を頼りに生きていけばいいのだろうか。

忘れることが出来たら何一つ問題ないんだけど、俺には絶対に無理だし・・・・・。