「ってごめん!私が泣いてる暇じゃないよね!ごめんね茜!あたしがしっかりしないと。今は絶対に泣いちゃだめだし、あたし茜を守る立場なんだし。絶対に泣いちゃだめなんだから!そうだ、前向きに考えないと!まだ十一月。茜もまだ進路決まってないし、あたしも頑張ったらなんとかなる!」

だから、もうやめて。
お願いだからやめて・・・・。

それ以上自分の首を絞めるのはやめて樹々・・・・・・。

「そ、そうだ!ちょっと走ってくる!こんなとき、走ったら気分がよくなるんだ!あはは」

その言葉の意味は、すぐに理解した。
同時に私の心は焦りだした。

「まって!樹々、いかないで!」

私の声は、樹々には届かなかった。
樹々は逃げるように私の家の階段を下る。

そして玄関を開ける音が聞こえたってことは、家から飛び出していったってことだ。

早く追いかけないと。
強がっている樹々だけど、心は辛いはずだ。

さっきまで私を助けてくれたように、私が樹々を助けないと。
それに祭りの夜だし、外は知らない人も多いだろうし。

私は慌てて樹々を追いかけようと、階段を下ろうとする。
樹々の事だけを考えて、明かりのない暗闇の階段を下る。

だけど、私は階段を踏み外した。
態勢を崩し、私は派手に階段から転げ落ちた。

そしてそのまま一階まで叩き落とされる。

「いった!」

足と肘に激しい痛みが私を襲う。
経験したことない痛みだ。

折れてはないと思うけど、かなり痛い。

でも、今はそんなことは関係ない。
私なんてどうでもいい。

今は樹々を追いかけないといけないのに。

私は痛みに堪えながら、何とか立ち上がる。
再び樹々を追いかけようとするけど、足の痛さに転んでしまった。

悔しくて地面を強く拳で叩いた・・・・。

そして私は大きな涙を流していた。
痛いからじゃなくて、『自分自身の無力さ』に。

こんなとき親友を助けられない自分が情けなくて、親友の助けられなくて泣くことしか出来なくて・・・・。

私、何のためにこんなことをしているんだろう?
私、なんで生きているんだろう?って・・・・・。

今はただ、そんなことを思っていた。
誰もいない暗闇の家の中で、は大きな声で泣いていた。

『誰か助けて』と泣いていた・・・・。