「なんでって、茜の事が『大好き』だからに決まっているからじゃん」

「大好き?」

意外な言葉が返ってきて、私は首を傾げた。

それはいったい、どういうつもりなんだろうか?
「そう。私は茜の事が大好き!それが何が悪いの?も、もちろん親友としてね!異性には興味ないし」

「異性には興味ない?」

私の疑問の言葉の直後、樹々の表情が真っ赤なリンゴ見たいに赤く染まった。
それに『異性には興味ない』って、男には興味がないって意味だよね?

・・・・・。

そう思った私は樹々の手を振りほどいて、無意識に彼女から遠さがっていた。

一方の樹々は焦り出す。

「違う!茜は大好きだけど、『性的に好き』ときそう言うのじゃなくて。そう!あたしは茜の事が大好きなのと同時に、男も大好きなのだ!世の中の男が大好きなのだ!あはは!」

何だかとんでもない事を言っている気もするけど、ここは突っ込むべきなんだろうか。

樹々に男とか彼氏って、何だか似合わないし。
多分生まれて彼氏も出来たこと無いだろうし。

って、私が人の事を言える立場じゃないけど・・・・。

だけど、そんなことを考えていたら私は笑っていた。
いつの間にか樹々に笑顔を見せていた。

同時に心の不安がいつの間にか消えていた。

そういえば前にもこんなことあったっけ。

笑っていたら今までの不安が消え去った事が前にあった。

・・・・・・。

「やっと茜が笑ってくれたね」

そして前もそんなことを言われた気がする。
確かあれは愛藍と本音をぶつけ合った夏休みの終わりの日。

私と愛藍が親友として再スタートを切った日。

本音をぶつけたらいつの間にか笑っていたあの時のように。

辛いことがいつの間にか消えてしまったあの日のように・・・・。