「桑原が俺に『助けて』って、言わなかったのが悪いんじゃないのか?」

・・・・・。

・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・は?

「確かに、どうしようもない問題児で溢れる糞みたいなクラスだった。そしてお前もその一人だよ桑原。よく学校に迷惑なクレームが来るもんだ」

急に頭が割れるように痛くなってきた。
明日の学校、大丈夫かな・・・・?

「茜はそんなこと」

樹々は黒沼に反論するも、すぐに黒沼の言葉に書き消される。

「ああ。確かにコイツはなにもしていない。悪いのは江島葵と柴田愛藍というクソガキだ。一緒に居て、アイツらを暴走を止めようとしなかった時点で、桑原も同類の糞だ。ゴミクズ野郎だ」

もうやめて。
それ以上言わないで・・・・。

「桑原がいじめられたのも仕方のない事だったんだ。アイツらを静めさせる、『いい薬』になってくれたんだから。お前が保健室登校になって、アイツらは大人しくなった。なんせ、好きな女をボコボコにいじめていたからな、あいつら。そりゃ落ち込むはずだわ。荒れたクラスも落ち着いたんのだから、それでいいじゃないか」

それが黒沼の七年前の答え。
まるで最初から桑原茜という生徒なんて居なかったような空気を作った、当時の担任の言葉。

そしてその言葉を聞いた私は頭痛もそうだけど、物凄く気分が悪くなってきた。
このまま本当に倒れそう・・・・・。

・・・・・・・。

でも自分の心配より、目の前の出来事が目に焼き付いて私は自分を見失ってしまっていた。

目の前の光景を受け入れたくないから、私は樹々を必死に止めようとした。

けど、体が言うことを聞いてくれない。

・・・・・・・。