「茜さん、このアルバム見ますか?」

「うん」

私はまだ全部見ていないが、私が見ても仕方ないのかもしれない。
こういうのは、小緑の方が得意そうだし。

それに愛藍や葵が写った六年前の写真を見てみたいし。
でも一通り事件と関連するものを探したけど、やっぱり何も情報はなかった。
同時に紗季の写真も探したけど、紗季が写っているのはみんなで給食を食べているあの一枚のみ。

そういえば紗季、六年生の時は殆ど入院生活だったっけ。

葵と愛藍が写っている写真を見つけた。
当時の生意気そうな表情は変わっていないけど、どの写真も表情は曇ってきた。

まるで『楽しくない』と訴えているような、寂しそうな表情。
私と過ごした時の『輝き』はもう残されていない・・・・・。

そうやって私が遊んでいると、再び小緑から疑問の声が上がる。

「また知らない先生が映っている。噂じゃこの学校って、先生の移動が激しいみたいですね」

「そうなの?」

小緑はそれを証明するように、あるページをめくった。
そのページとはこの小学生の先生の顔写真と、卒業生へのメッセージが載っているページ。

小緑は説明してくれる。

「ほらこの先生はそっちのアルバムには映っていないですし、この先生はこのアルバムにしか載っていないみたいです」

まるで探偵のように新たな疑問を抱いた小緑は、山積みになったアルバムを全部持ってくる。
そして要点だけ確認して結論を出した。

「やっぱりそうみたいですね。ここしばらく殆ど酷いと言っても過言ではない程の人事異動がある。去年の卒業生である僕達の世代の先生の殆どがこの学校をに去っているみたいですし。茜さんが通っていた時の先生も殆どいないし。というか、何で先生達って移動するのですかね?めんどくさいのに」

「確かに先生の離任ってよく聞くけど、あれって何でだろう。考えたこともなかった」

って私は言葉を返してみたが、本音は小緑の推理力が凄くて、そんなことはどうでもいいと思ってしまった。
なんでこんな短時間でこんなに調べられるのだろうか。

やっぱり本当に年を誤魔化した大人なんだろうかと疑ってしまう。

例えば小学生と偽って本当は高校生の、あの有名な名探偵みたいに。
とても考えさせられた小緑の一面だった。

・・・・・。

ってそんなわけないよね?