「烏羽先生!?どうしてここに?」

「どうしてって、山村が『力を貸してくれ』って言われたから来ただけなんだけど?」

「僕?」

小緑は首を傾げる。
同時に喧嘩していた二人も、知らない人が入ってきて大人しくなった。

「あー、山村って言ってもお姉ちゃんの方な。さっき偶々お姉ちゃんがバイトしているカフェに行ったんだ。そしたら『山村妹が小学校に向かった』って言うし。それに『俺の教え子も一緒にいる』って聞いたし」

私は優しそうに笑顔見せる烏羽先生と目が合う。
そして一瞬嬉しそうな表情を見せると、烏羽先生は笑った。

「初めましてかな?それとも、久しぶりかな?桑原茜さん」

「あっえっと・・・・」

何て言ったらいいのか本当に分からない。
相変わらず私の人見知りは直っていない・・・・。

「元気で何よりだ。高校三年生ってことは、もう進路も決まっているのか?」

「いや、それは・・・・・」

確か目の前の烏羽先生は、私が六年生の時の担任だと言っていた。
そう思ったら見たこともあるかも知れないけど、やっぱり覚えていない。

あと私の心を抉るようなことは慎んでほしいです。
私が向かう先は『小学校の図書室』じゃなくて、『高校の進路指導室』なのに。

答えられなくなった私を見て、烏羽先生は小さく笑う。

「まあいいや。じゃあ俺はあの映像について調べてくるから」

「映像って?」

烏羽先生の言葉に、疑問を抱いた小緑は首を傾げる。

「監視カメラの映像。さっき先生と会ったんだ。そしたら『監視カメラの操作方法が分からないから教えてくれ』って。一応俺はこのカメラの管理も担当していたし。それに俺の教え子が困っているって聞いたからさ。力になるのが筋だろ?」

そう言った烏羽先生は私達に手を振って図書室を後にする。
優しく笑みを見せる先生に、私はいつの間にか心を打たれていた。

東雲さんのように優しい先生だと、私は思った。

本当に『不気味な先生』なのだろうか?

「頑張ろう」

突然小緑はそう小さく独り言のように呟くと、近くの席に座った。
そして手に持つ私の年代のアルバムを確認していた。

樹々と愛藍も気がスッキリしたのか、各自座っていた場所に戻った。

私も負けていられない。
私の一つ上の年代のアルバムを拾うと、小緑の隣に座る。

何か情報はないかと適当にアルバムを見ていたが、何も情報はない・・・・。
一つ上の卒業生。

ということは私達が五年生だった時の写真だ。
七年前の当時に一番近い写真。

何か情報はないかと確認したけど、気になるものも写っていない。
裏庭らしき場所で撮ったと思われる写真もあったけど、特に変わった様子もなかったから私は次のページをめくった。

ってかこんなので葵と仲良くなれるのだろうか?