ルビコン

私も何か調べてみようと、図書室に並ぶ本を確認する。
関連するものはないかとずっと本棚を見ていたけど、全く関連するものは見当たらない。

どこかに七年前の写真とか残っていたらいいけど。
そんな都合よく残っているのだろうか。

ふと私が立ち止まった棚には変わった本が並んでいた。
まるで文集や卒業アルバムのような、自主作成の本が並ぶ棚。

こんなの昔はあったっけ?

その中で気になるのが一つ。
それはこの小学校の飼育委員が作った一冊の本。

『みんな生きている』と書かれた、ウサギ殺し疑惑のある私の心をえぐるような題名の本。

気になった私は、その本を取り出そうと手を伸ばす。
が、思ったより高い位置にあるから中々手が届かない・・・・。

椅子を使ってもよかったけどめんどくさい。
適当に手を伸ばして、指に本のページを引っかけ続けた。

そうしたら本は落ちてくるだろうと思ったけど・・・・・。

大きな音と共に、『大量の本』が私の元に落ちてきた。

「うわぁ!」

慌てて本棚に背を向けるも遅かった。
かなり痛い衝撃と共に私の体制も崩れる。

「茜!大丈夫!?」

物音に気がついた樹々と愛藍は、心配そうな表情で私の元まで駆け寄ってくれた。
私も大丈夫だと、二人に笑みを見せる。

というか、なんで一つの本を取り出そうとしたらこんなに本が落ちてくるんだろう。
その段の本はごっそり全部落ちていた。

何かカラクリがあるのだろうか。

だけど、今はそんなことを考える余裕がない。
余計な本は片付けよう。

そう思って私は立ち上がり、落ちた本を片付けようとする。

・・・・・。

でもその時、落ちた本を手に取った樹々があることに気がついた。

「ってこれ、小緑じゃない?」

「え?」

その名前を知る私と愛藍は、樹々が見ていた本のページを確認する。
するとそこには、今の小緑にそっくりな少女が写っていた。

クラスのみんなで仲良く給食を食べている写真だ。

確かに見れば見るほど小緑そっくりだが、髪の色は今の小緑みたいに明るくない。
自然な黒髪で長い髪をまとめてポニーテールにしている。

って・・・・小緑かな?

いや違う。