『紗季何してる?』

絵文字も顔文字も何も使わない、無愛想な私の文面。

と言うよりメールとかしたことないから、どう送っていいのか分からないのが本音。
その文字を打つのもぎこちなく入力は遅い。

メールを送信すると、私はため息を一つ吐く。
すぐに返事が返ってきたらいいけど、返事が返ってこなかったら暇潰しにもならない。

でも紗季も暇なのか、すぐに返事が帰ってきた。
私同様に絵文字も顔文字も使わない無愛想な返事。

『ゲーム』

その短い文字を見た私は少しだけ安心した。

だから私はいつの間にか、電話の発信を押していた。
そして携帯電話を耳に当てると、電話はすぐに繋がる。

「もしもし?」

電話越しの優しい紗季の声に、私は少しだけ気分が落ち着いた気がした。

「あっ、紗季。今暇かな?」

「ちょっと待って!」

電話の先から、バタバタと大きな音が聞こえた。『何をしているんだろう』と、考えながら待つこと数十秒。

「ごめんお待たせ。病院だったから」

「病院?」