「僕も行きたいけど、流石に僕まで抜けたら店がしんどいし。また紗季ちゃんと一緒に僕らは頑張るから。電話で相談ならいつもでも待っているから」

橙磨さんは優しい声と笑顔で、私にそう言ってくれた。

そういえば、その笑顔で今日何度救われただろうか。
屋台で慌てる私を何度も優しくフォローしてくれたっけ。

ホント、今日は仲間に助けられてばっかり。
「いいね。『助け合う』って。茜ちゃんは立派な幸福者だね。これじゃあ失敗は許されないわ」

城崎さんの言う通り、確かに『失敗』は許さない。
こんなに助けてもらって、何も出来なかったら申し訳ないし。

何より失礼だ。

それと『自分自身にはもう負けない』と誓ったし。

その言葉を強く噛み締めると、不思議と勇気が出てきた。
明日から・・・・いや、今からが勝負だ。

本気で頑張らないと。

「それじゃあ明日から頑張れる?茜ちゃん。ついでに今の気持ちをみんなに伝えてくれる?」

「はい!」

城崎さんの言葉に、私は大きな声で返事を返す。

・・・・・。

でも今の気持ちか・・・・。
この場合、なんて言ったらいいのだろうか。

なんて言ったらみんなは納得してくれるだろうか。
そう思ったら難しい。

だけど今は難しく考えずに簡単に考えよう。

言葉通り、今の私の気持ちを。
私の隣の席に座る樹々や城崎さんは私を見ている。
更に後ろを振り替えると、桔梗さんと愛藍が私の顔を伺っていた。

紗季と小緑、そして東雲さんも。
もちろん橙磨さんも。

私の言葉を楽しみにしているみたい。

・・・・・・。