何事も前向きに。

そして親友を頼る。
もっと親友を信頼する。

この数ヵ月で一番学んだことなんだけど、それを実戦で全く使えていないことに気が付いた私。

理由は、単純に頼り方を知らなかったから。
難しいと思っていたから。

・・・・・・・。

そうだ、難しいと思うから難しいんだ。
親友を頼ることなんて『スッゴく簡単だ』って思ったら、本当に簡単に思えてくる。

だったら、難しいことを考えるのは今日で終わり。
難しいと思ったら、親友に相談する。

もっと親友を頼る。

私の周りには沢山の凄い人がいるんだから。
今の私の夢も、必ず一緒に叶えてくれる。

私はそうみんなの事を信じている。

そして最後に城崎さんは私に提案してくれる。

「ってな訳で、後で今後の作戦会議するから。今後の葵くんとの予定を考えておいてね茜ちゃん。『いつまでに仲直りするか』とか『目標』も」

「葵との予定・・・・ですか？」

「そう。物事には目標を決めた方がいいの、じゃないと、ダラダラと意味のない時間を過ごしちゃうだけだし。だから、それまでに葵くんと仲直りするスケジュールを決めるって意味」

「はい、わかりました」

私の返事の後、城崎さんは少しだけ驚いたような表情見せた。
間のない私の返事が意外だったのかな？

城崎さんも苦笑いを見せる。

「朝みたいに否定しないんだね。本当に見る度に成長するおもしろい子だね。それが桑原茜という女の子の底力？」

だと私も嬉しいな。
事実、成長したねって言われるのが嬉しい私。

書類を書き込み終え、『やっと城崎さんも一息つけるのかな？』と私は思ったけど、城崎さんは何故かそのまま厨房へ向かう。

「じゃ、何かアイデア考えておいてね。私は明日の仕込みをしてくるから」

そう言い残して、城崎さんは厨房に消えていった。
『いい加減休んでほしい』と思うのが本音だけど、多分聞かないだろう。

『手伝う』と言っても否定されるし。

ふと思った。
どうして城崎さんはいつもこんなに頑張っているんだろうか。

仕事も完璧で、頼りない私にいつも優しい言葉をかけてくれる。

それになんで私なんかのために、ここまで力を貸してくれるのだろう。
その理由がイマイチよく分からない。

数か月前までは赤の他人だったのに、どうして？