「まあいいっか。じゃあみんな待っているし、今日はいっぱい楽しんでください!乾杯!」
私だけ乾杯ではなく小さなガッツポーズ。
『とりあえず難は逃れたらみたい』と、小さなため息を吐いた。
って、何で私は怯えているんだろう。
何故だか凄く恥ずかしさが込み上げてくる。
周囲を見渡せば、参加者はみんなグラスを交わしていた。
私も近くにいる紗季と乾杯する。
栗原先生は私と乾杯したかったみたいだけど、私はそれを拒んだ。
でも仕方ないから嫌な顔で私は自分のグラスを差し出した。
そうしたら『素直じゃないな』って言われたけど、私は『うるさいです』と即答。
そして栗原先生を無視した。
でも密かに春茶先生とグラスを交わす。
今日も春茶先生はストローを握り締めている。
そして春茶先生の隣に座ろうかと思った。
今はなんだか春茶先生の隣に居たい。
そんなヘタレな私の元に橙磨さんがやって来る。
「茜ちゃんお疲れさま。今日は頑張ったね」
「お、お疲れさまです。そんなことないです・・・・・」
私は慌てた表情で橙磨さんとグラスを合わせて乾杯。
こういう場に馴れていないから、どんな顔をしたらいいのか分からない。
そんな私に橙磨さんは提案する。
「そうそう。先に愛藍くんを城崎さんに紹介してきたら?『自分のトラウマのような人と仲直り出来た』って言ったら、多分喜ぶと思うし」
橙磨さんの言う通り、確かにそうだ。
今日は愛藍と当たり前のように話し合っているけど、数ヵ月前までは彼の存在に怯えて生きてきたんだ。
そう考えたら、『今普通に愛藍と話しているのがあり得ない』って言うか。
「そうですね。それに、まだ愛藍のことはあまり話していないし」
私はそう言葉を返して、ふと愛藍のいる方を振り返る。
そこにはまた桜さんに絡まれている愛藍の姿があった。
楽しそうに笑顔を浮かべている。
でもちょっと嫌そう?
『葵はたまにこの店にも来る』って城崎さんは言ってたから、城崎さんは葵のことは知っていると思う。
でも愛藍は違う。
城崎さんと昔の話をした時、私から愛藍の名前を出した記憶は殆どない。
いつも『友達』って言って言葉を濁していたし。
私からも城崎さんに話しておこう。
「そういうことだからいってらっしゃい」
私をこの場から追い出すように、橙磨さんは私の背中を押す。
そして直後、『桜ちゃん、今度の草野球の事で相談があるんだけど』と橙磨さんは声を張った。
橙磨さんの言葉の直後、少し御立腹な桜さんが橙磨さんの元までやって来る。
その入れ替わりで、私は桜さんと一緒にいる愛藍の元へ急いだ。
そして一人になった愛藍に私は声を掛ける。
「愛藍!」
私の声に愛藍は少し驚いた様子で私を見ていた。
「おう。どうした?」
「紹介したい人がいるからついてきて」
私は無意識に愛藍の左腕を掴んだ。
凄く暖かみを感じるその腕を引っ張りながら、私は城崎さんのいるカウンター席へ向かう。
一方の愛藍は何がなんだかわからない表情。
まあ、そりゃそうか。
私だけ乾杯ではなく小さなガッツポーズ。
『とりあえず難は逃れたらみたい』と、小さなため息を吐いた。
って、何で私は怯えているんだろう。
何故だか凄く恥ずかしさが込み上げてくる。
周囲を見渡せば、参加者はみんなグラスを交わしていた。
私も近くにいる紗季と乾杯する。
栗原先生は私と乾杯したかったみたいだけど、私はそれを拒んだ。
でも仕方ないから嫌な顔で私は自分のグラスを差し出した。
そうしたら『素直じゃないな』って言われたけど、私は『うるさいです』と即答。
そして栗原先生を無視した。
でも密かに春茶先生とグラスを交わす。
今日も春茶先生はストローを握り締めている。
そして春茶先生の隣に座ろうかと思った。
今はなんだか春茶先生の隣に居たい。
そんなヘタレな私の元に橙磨さんがやって来る。
「茜ちゃんお疲れさま。今日は頑張ったね」
「お、お疲れさまです。そんなことないです・・・・・」
私は慌てた表情で橙磨さんとグラスを合わせて乾杯。
こういう場に馴れていないから、どんな顔をしたらいいのか分からない。
そんな私に橙磨さんは提案する。
「そうそう。先に愛藍くんを城崎さんに紹介してきたら?『自分のトラウマのような人と仲直り出来た』って言ったら、多分喜ぶと思うし」
橙磨さんの言う通り、確かにそうだ。
今日は愛藍と当たり前のように話し合っているけど、数ヵ月前までは彼の存在に怯えて生きてきたんだ。
そう考えたら、『今普通に愛藍と話しているのがあり得ない』って言うか。
「そうですね。それに、まだ愛藍のことはあまり話していないし」
私はそう言葉を返して、ふと愛藍のいる方を振り返る。
そこにはまた桜さんに絡まれている愛藍の姿があった。
楽しそうに笑顔を浮かべている。
でもちょっと嫌そう?
『葵はたまにこの店にも来る』って城崎さんは言ってたから、城崎さんは葵のことは知っていると思う。
でも愛藍は違う。
城崎さんと昔の話をした時、私から愛藍の名前を出した記憶は殆どない。
いつも『友達』って言って言葉を濁していたし。
私からも城崎さんに話しておこう。
「そういうことだからいってらっしゃい」
私をこの場から追い出すように、橙磨さんは私の背中を押す。
そして直後、『桜ちゃん、今度の草野球の事で相談があるんだけど』と橙磨さんは声を張った。
橙磨さんの言葉の直後、少し御立腹な桜さんが橙磨さんの元までやって来る。
その入れ替わりで、私は桜さんと一緒にいる愛藍の元へ急いだ。
そして一人になった愛藍に私は声を掛ける。
「愛藍!」
私の声に愛藍は少し驚いた様子で私を見ていた。
「おう。どうした?」
「紹介したい人がいるからついてきて」
私は無意識に愛藍の左腕を掴んだ。
凄く暖かみを感じるその腕を引っ張りながら、私は城崎さんのいるカウンター席へ向かう。
一方の愛藍は何がなんだかわからない表情。
まあ、そりゃそうか。