そう言えば春茶先生が言っていた『凄腕のピアニスト』って誰なんだろうか。
他人の演奏に興味がないと言う私だが、それなりに演奏者の名前は知っている。
いや、自分で調べたことはないけど、春茶先生が自慢気にいつも話してくれる。
まるで雲の上の存在のように語る春茶先生。
『あの演奏者であの曲を弾いて欲しい』とか『あのピアニストの演奏を生で聴きたい』とか。
目を輝かせて語るその春茶先生は、まるで将来ピアノを弾いてお金を稼ぎたいと夢を抱く少年少女そのもの。
自分が『凄いピアニスト』だったことを忘れているように、いつも楽しく語ってくれる。
中でも春茶先生が大好きなピアニストは、柴田藤子(シバタ フジコ)という女性のピアニストだった。
自身も何度も会っているらしく、『自分の師匠のような存在で、憧れの存在だ』と春茶先生は言っていたっけ。
その柴田藤子は世界でも有名なピアニストだ。
今現在国内でもっとも注目されているピアニストで、ピアノ活動以外にも女優としても活躍しているから、私もテレビで見たことがある。
でも柴田藤子の性格は難があるらしい。
まるで『自分のことしか考えたことがない』と言っているような、いつまでも子供のような思考の持ち主らしい。
私は会ったことないから、本当かどうかは分からないけど。
そしてその柴田藤子の一人息子、柴田アラン(シバタ アラン)も似たような性格だった。
彼も母と同じピアニストで、母の世界ツアーで中学一年生の十三歳でデビュー。
ピアニストの母と世界的にも有名な作曲家である父の間に生まれた、国内でかなり注目されている若き天才ピアニストだ。
若さ溢れる豪快な演奏は多くの人を虜にしてくれるし、私の一番好きなピアニスト。
そしてまだ高校生三年生と、将来が楽しみな逸材。
そんな音楽業界の未来を背負うと言われている彼だが、中身はただのクソガキだ。
まるでチンピラのような不良高校生。
『世界は自分のためだけに回っている』と言うようなふざけた人間。
そんな柴田アランに付いた異名は『天才不良ピアニスト』。
世間知らずで上下関係を知らない彼は、とある生放送のテレビ番組で激怒。
スタジオのセットを壊して暴れるなど、そのテレビ番組は酷い放送事故になった。
放送後はかなりネット上は荒れて、彼を批難する声も少なくなかった。
その放送を偶々見ていた私は、昔の親友だった人によく似ていると思った。
それはピアノが上手な大きな体格の男の子のことだ。悪いことばかり考える、困った私の元親友。
その困った私の元親友も、柴田アランと同じだった。
気に入らない事があれば周囲を気にせずに暴れるし、彼は上級生にも喧嘩を売っていた。
常に怒って、『人の形をした凶器だ』と、彼の親友の江島葵(エノシマ アオイ)に言われていたっけ。
そんな彼の名前は柴田愛藍(シバタ アラン)。
懐かしい名前だ。
小学生を卒業してから会っていないし、七年が経った今も彼が何をしているか私は知らない。
元気に暮らしているのだろうか。
・・・・・・・・。
他人の演奏に興味がないと言う私だが、それなりに演奏者の名前は知っている。
いや、自分で調べたことはないけど、春茶先生が自慢気にいつも話してくれる。
まるで雲の上の存在のように語る春茶先生。
『あの演奏者であの曲を弾いて欲しい』とか『あのピアニストの演奏を生で聴きたい』とか。
目を輝かせて語るその春茶先生は、まるで将来ピアノを弾いてお金を稼ぎたいと夢を抱く少年少女そのもの。
自分が『凄いピアニスト』だったことを忘れているように、いつも楽しく語ってくれる。
中でも春茶先生が大好きなピアニストは、柴田藤子(シバタ フジコ)という女性のピアニストだった。
自身も何度も会っているらしく、『自分の師匠のような存在で、憧れの存在だ』と春茶先生は言っていたっけ。
その柴田藤子は世界でも有名なピアニストだ。
今現在国内でもっとも注目されているピアニストで、ピアノ活動以外にも女優としても活躍しているから、私もテレビで見たことがある。
でも柴田藤子の性格は難があるらしい。
まるで『自分のことしか考えたことがない』と言っているような、いつまでも子供のような思考の持ち主らしい。
私は会ったことないから、本当かどうかは分からないけど。
そしてその柴田藤子の一人息子、柴田アラン(シバタ アラン)も似たような性格だった。
彼も母と同じピアニストで、母の世界ツアーで中学一年生の十三歳でデビュー。
ピアニストの母と世界的にも有名な作曲家である父の間に生まれた、国内でかなり注目されている若き天才ピアニストだ。
若さ溢れる豪快な演奏は多くの人を虜にしてくれるし、私の一番好きなピアニスト。
そしてまだ高校生三年生と、将来が楽しみな逸材。
そんな音楽業界の未来を背負うと言われている彼だが、中身はただのクソガキだ。
まるでチンピラのような不良高校生。
『世界は自分のためだけに回っている』と言うようなふざけた人間。
そんな柴田アランに付いた異名は『天才不良ピアニスト』。
世間知らずで上下関係を知らない彼は、とある生放送のテレビ番組で激怒。
スタジオのセットを壊して暴れるなど、そのテレビ番組は酷い放送事故になった。
放送後はかなりネット上は荒れて、彼を批難する声も少なくなかった。
その放送を偶々見ていた私は、昔の親友だった人によく似ていると思った。
それはピアノが上手な大きな体格の男の子のことだ。悪いことばかり考える、困った私の元親友。
その困った私の元親友も、柴田アランと同じだった。
気に入らない事があれば周囲を気にせずに暴れるし、彼は上級生にも喧嘩を売っていた。
常に怒って、『人の形をした凶器だ』と、彼の親友の江島葵(エノシマ アオイ)に言われていたっけ。
そんな彼の名前は柴田愛藍(シバタ アラン)。
懐かしい名前だ。
小学生を卒業してから会っていないし、七年が経った今も彼が何をしているか私は知らない。
元気に暮らしているのだろうか。
・・・・・・・・。