愛藍と再会したのもただの偶然。
偶々音楽祭の同じ出演者だった。
次に愛藍に会ったのは、向こうから声を掛けてきたから。
私がお兄ちゃんと喧嘩して楽器屋で楽譜を探していたら、愛藍から声を掛けてくれた。
そしてこの前は私が偶々橙磨さんに電話をしたら、橙磨さん側に愛藍がいた。
本当に偶然の出来事。
そう思ったら私、愛藍に何もしていない。
仲直りしたいと言いながら、全て相手や運任せ。
本当に私、口だけのやつ。
『頑張る』とか言ってはいるけど、自分から何にもしていない。
全然頑張っていない。
・・・・・・。
だから、せめて葵とは私から仲直りのきっかけを作りたい。
変な言い訳して、自分から逃げたくない。
もう自分に負けたくない。
こう見えて私、負けるのは死ぬほど嫌いなんだ。
『ピアノのコンクールに興味がない』と言いながら、残念な結果は死ぬほど嫌いなんだ。
それなら毎日練習して、いい結果を迎えたい。
そう思って私は春茶先生や栗原先生に教えてもらっている。
それに私にピアノを教えてくれる二人の顔に泥を塗るようなことはしたくないし。
・・・・・。
もしかして、これが本当の私なんだろうか。
これが本当の桑原茜という人間なんだろうか。
そういえば城崎さん、今朝『面白いこと』を言っていたっけ。
『桑原茜という女の子はどのように見えているか。自分のことをいかに自分自身が理解できているか』って言っていた。
・・・・・・。
桑原茜は、極度の人見知りだけど、他人を想う負けず嫌い。
ピアノも人生も負けるのは大嫌い。
でも泣き虫で意地っぱりで、一人では何も出来ない口だけの女。
他人を頼っていいと周囲から何度も言われるけど、本当はただ頼り方を知らない不器用な女。
勉強は出来ないし、運動も苦手。
料理もまともにつくれないし、高校三年生の十一月だと言うのにまだ進路が決まっていない。
就職活動すらしていない。
受験勉強すらしていない。
でもその代償として、私はピアノが上手だ。
国内最高峰のピアノコンクールで入賞出来たくらい私の実力は凄い。
さすがに音楽一家として育った柴田アランには敵わないけど、ピアノの演奏なら負けないと自信がある。
そうやって自分を称えるような妄想をしていたら、なんだか元気が出てきた。
というか私、自分のことについてこんなに語れるんだ。
恥ずかしいから、こんなことを口に出したくはないから言わないけど。
それに性格の悪い橙磨さんに話したら笑われそうだし・・・・。
でも私、こんなに自分を知ることが出来るようになったんだ。
今朝は何も答えれなかったのに・・・・・・・。
だったら、もっと自分に自信を持とう。
こんなに自分のことを知れたら、自分の扱い方も分かってくると思う。
そうしたら、今自分が何をやるべきなのかわかるはずだし。
だから、もっと頑張ろう。
それも『口だけの頑張ろう』じゃなくて、自分も回りも納得してくれるような行動を・・・・。
偶々音楽祭の同じ出演者だった。
次に愛藍に会ったのは、向こうから声を掛けてきたから。
私がお兄ちゃんと喧嘩して楽器屋で楽譜を探していたら、愛藍から声を掛けてくれた。
そしてこの前は私が偶々橙磨さんに電話をしたら、橙磨さん側に愛藍がいた。
本当に偶然の出来事。
そう思ったら私、愛藍に何もしていない。
仲直りしたいと言いながら、全て相手や運任せ。
本当に私、口だけのやつ。
『頑張る』とか言ってはいるけど、自分から何にもしていない。
全然頑張っていない。
・・・・・・。
だから、せめて葵とは私から仲直りのきっかけを作りたい。
変な言い訳して、自分から逃げたくない。
もう自分に負けたくない。
こう見えて私、負けるのは死ぬほど嫌いなんだ。
『ピアノのコンクールに興味がない』と言いながら、残念な結果は死ぬほど嫌いなんだ。
それなら毎日練習して、いい結果を迎えたい。
そう思って私は春茶先生や栗原先生に教えてもらっている。
それに私にピアノを教えてくれる二人の顔に泥を塗るようなことはしたくないし。
・・・・・。
もしかして、これが本当の私なんだろうか。
これが本当の桑原茜という人間なんだろうか。
そういえば城崎さん、今朝『面白いこと』を言っていたっけ。
『桑原茜という女の子はどのように見えているか。自分のことをいかに自分自身が理解できているか』って言っていた。
・・・・・・。
桑原茜は、極度の人見知りだけど、他人を想う負けず嫌い。
ピアノも人生も負けるのは大嫌い。
でも泣き虫で意地っぱりで、一人では何も出来ない口だけの女。
他人を頼っていいと周囲から何度も言われるけど、本当はただ頼り方を知らない不器用な女。
勉強は出来ないし、運動も苦手。
料理もまともにつくれないし、高校三年生の十一月だと言うのにまだ進路が決まっていない。
就職活動すらしていない。
受験勉強すらしていない。
でもその代償として、私はピアノが上手だ。
国内最高峰のピアノコンクールで入賞出来たくらい私の実力は凄い。
さすがに音楽一家として育った柴田アランには敵わないけど、ピアノの演奏なら負けないと自信がある。
そうやって自分を称えるような妄想をしていたら、なんだか元気が出てきた。
というか私、自分のことについてこんなに語れるんだ。
恥ずかしいから、こんなことを口に出したくはないから言わないけど。
それに性格の悪い橙磨さんに話したら笑われそうだし・・・・。
でも私、こんなに自分を知ることが出来るようになったんだ。
今朝は何も答えれなかったのに・・・・・・・。
だったら、もっと自分に自信を持とう。
こんなに自分のことを知れたら、自分の扱い方も分かってくると思う。
そうしたら、今自分が何をやるべきなのかわかるはずだし。
だから、もっと頑張ろう。
それも『口だけの頑張ろう』じゃなくて、自分も回りも納得してくれるような行動を・・・・。