「姉さんお帰り!ちょっと老けたんじゃないの?」
店内から慌てて城崎さんが出てきた。
店内は落ち着いているみたいで、紗季も大学生のアルバイトの人と楽しそうに会話していた。
杏子さんは怒った表情を見せる。
「失礼な妹ね」
「だって姉さんに仕返しするチャンスなんだもん。今まで私が生きた二十六年間の恨み、しっかりとこのチャンスに晴らさないと」
城崎さんが過去に何をされたのかは、私は知らない。
でもかなり城崎さんも闇を抱えているのも事実なんだろう。
橙磨さんと同じで、よく私をいじめてくるし。
性格も悪いし。
お姉さんである杏子さんの影響なんだろうか。
そして本題のように、私と橙磨のいる屋台を見て城崎さんは笑顔でそう言った。
「そうそう。茜ちゃんと橙磨くんは休憩行ってらっしゃい。紗季ちゃんも休憩にするから、みんなで小緑ちゃんのダンスでも見に行ってらっしゃい」
私と同じ疑問を抱いた橙磨さんは問い掛ける。
「えっ?ここどうするんですか?」
「大丈夫。ピンチヒッター呼んだから。ねぇ桔梗ちゃん?」
その聞き慣れない名前を聞いた私は、真っ先に会ったことない女性を見た。
樹々のお姉さん。笑って答える姿も、本当に樹々にそっくりだ。
「はい、頑張ります」
桔梗さんは続ける。
「はじめまして。樹々の姉の若槻桔梗(ワカツキ キキョウ)です。桑原茜さんですよね?いつも樹々がお世話になってます」
ふと私と目が合った桔梗さんは笑顔で自己紹介をしてくれた。
私も言葉を返す。
「いえ!そんなことはないです。むしろお世話になってるのは私の方って言うか」
「そうだね。茜は一人じゃ何も出来ないもんね!」
素直なことを言ったはずなのに、樹々に茶化される。
本当に、『どこに行っても敵だらけ』だといつも思わされる。
休憩を命じられた私と橙磨さんは屋台の外に出る。
寒い気候の中、屋台の中では火を使っていたからかいつも以上に寒く感じた。
まるで『極寒の地』に来てしまったような寒気が私を襲う。
入れ替わりで、樹々の実姉である桔梗さんが屋台に入る。
その様子を妹の樹々が楽しそうに見ていてた。
本当はお姉さんと一緒に働きたかったみたいだけど、樹々は杏子さんと一緒に祭りを見て回るみたい。
『お母さんと一緒に楽しんできなさい』って城崎さんが言っていた。
その姉妹の姿を見て、私は微笑ましいと思った。
楽しそうに会話する二人の姿が羨ましいと思った。
紗季と小緑もそうだ。
小緑は『紗季のことを好きじゃない』ような態度を振る舞っているけど、本当は心の底から紗季の事が大好き。
橙磨さんと妹である桃花っていう人も、兄である橙磨さんと仲がいいってよく聞くし。
・・・・・・。
兄弟か・・・・。
改めて考えたら、それは凄い力なんだと思わされた。
同じ血が流れているから、想いは特別なんだろうか。
私にも兄はいるけど、少し距離があるって言うか。
大好きで頼りになる存在なんだけど、少し気を使ってしまう。
店内から慌てて城崎さんが出てきた。
店内は落ち着いているみたいで、紗季も大学生のアルバイトの人と楽しそうに会話していた。
杏子さんは怒った表情を見せる。
「失礼な妹ね」
「だって姉さんに仕返しするチャンスなんだもん。今まで私が生きた二十六年間の恨み、しっかりとこのチャンスに晴らさないと」
城崎さんが過去に何をされたのかは、私は知らない。
でもかなり城崎さんも闇を抱えているのも事実なんだろう。
橙磨さんと同じで、よく私をいじめてくるし。
性格も悪いし。
お姉さんである杏子さんの影響なんだろうか。
そして本題のように、私と橙磨のいる屋台を見て城崎さんは笑顔でそう言った。
「そうそう。茜ちゃんと橙磨くんは休憩行ってらっしゃい。紗季ちゃんも休憩にするから、みんなで小緑ちゃんのダンスでも見に行ってらっしゃい」
私と同じ疑問を抱いた橙磨さんは問い掛ける。
「えっ?ここどうするんですか?」
「大丈夫。ピンチヒッター呼んだから。ねぇ桔梗ちゃん?」
その聞き慣れない名前を聞いた私は、真っ先に会ったことない女性を見た。
樹々のお姉さん。笑って答える姿も、本当に樹々にそっくりだ。
「はい、頑張ります」
桔梗さんは続ける。
「はじめまして。樹々の姉の若槻桔梗(ワカツキ キキョウ)です。桑原茜さんですよね?いつも樹々がお世話になってます」
ふと私と目が合った桔梗さんは笑顔で自己紹介をしてくれた。
私も言葉を返す。
「いえ!そんなことはないです。むしろお世話になってるのは私の方って言うか」
「そうだね。茜は一人じゃ何も出来ないもんね!」
素直なことを言ったはずなのに、樹々に茶化される。
本当に、『どこに行っても敵だらけ』だといつも思わされる。
休憩を命じられた私と橙磨さんは屋台の外に出る。
寒い気候の中、屋台の中では火を使っていたからかいつも以上に寒く感じた。
まるで『極寒の地』に来てしまったような寒気が私を襲う。
入れ替わりで、樹々の実姉である桔梗さんが屋台に入る。
その様子を妹の樹々が楽しそうに見ていてた。
本当はお姉さんと一緒に働きたかったみたいだけど、樹々は杏子さんと一緒に祭りを見て回るみたい。
『お母さんと一緒に楽しんできなさい』って城崎さんが言っていた。
その姉妹の姿を見て、私は微笑ましいと思った。
楽しそうに会話する二人の姿が羨ましいと思った。
紗季と小緑もそうだ。
小緑は『紗季のことを好きじゃない』ような態度を振る舞っているけど、本当は心の底から紗季の事が大好き。
橙磨さんと妹である桃花っていう人も、兄である橙磨さんと仲がいいってよく聞くし。
・・・・・・。
兄弟か・・・・。
改めて考えたら、それは凄い力なんだと思わされた。
同じ血が流れているから、想いは特別なんだろうか。
私にも兄はいるけど、少し距離があるって言うか。
大好きで頼りになる存在なんだけど、少し気を使ってしまう。