柴田愛藍。私の親友だ。
小学生からの付き合いで、幼い時は何度もふざけあった悪友。
誰かを困らせることしか考えていない不良少年。
でもそれは過去の柴田愛藍。
今私が知っている柴田愛藍は友達思いで、負けず嫌いの素直な少年。
見た目は昔と同じなのに、中身は大きく変わっている。
見た目以外で変わらないと言ったら、愛藍は約束を必ず守ること。
どんな小さな約束でも、愛藍は絶対に破らない。
『この前の電話の内容も覚えてくれたんだ』と思ったら、私は凄く嬉しい気持ちに包まれた。
私の表情も緩んで、幼い頃の私のように自然と笑顔になっていた。
「い、いらっしゃいませ!愛藍本当に来てくれたんだ」
「ああ。お前が屋台出すって言うし。気になるし」
愛藍は桜さんの『想い』に気付いているのだろうか?
その何気ない愛藍の最後の言葉は、愛藍に恋する桜さんを絶望に叩き落とした。
桜さんはガックリと肩を落として、今にも泣きそうな表情を浮かべている。
でも、それで挫けないのが桜さんと言う女の子みたいだ。
「愛ちゃん!一緒に祭りを回るわよ!」
「っておい!」
桜さんは愛藍の腕を掴んで、誘拐するようにこの場から離れた。
愛藍も理不尽に桜さんに連れてかれる。
そのあまりにも衝撃的な行動に、私はただのその状況を唖然と見ていた。
一方の橙磨さんは笑う。
「ははは。なんか面白いことになっちゃったね。愛藍くんが拐われるって」
美空さんが橙磨さんに言葉を返す。
「橙磨くんが桜に火を付けちゃったからじゃないの?ホント、兄妹揃って相手の気持ちを理解しようとせずに発言するんだから」
「いやー、だって面白いじゃん。それに桜ちゃんも桃花を失って、変わろうとしているんだし。ってか実際変わったし。すごく強くなったし」
美空さんは愛藍と桜の背中を見届けると、ため息を一つ吐いた。
何て言うか、まるで桜さんの恋の行方を分かりきっているみたいな『恋の神様』のみたい。
きっとさっきの興味がない美空さんの態度も、結果が見えているからの行動なんだろう。
『愛藍が桜さんより桑原茜の方が好きなんだ』って。
愛藍本人よりも分かっているみたいで・・・・。
一方の私は状況が全く理解できなくて、一人で混乱していた。
だって約束して愛藍が来てくれたはいいけど、愛藍が誘拐されちゃったし。
愛藍の顔は見れたけど、何も話せてない状態だし。
また来てくれるだろうか?
小学生からの付き合いで、幼い時は何度もふざけあった悪友。
誰かを困らせることしか考えていない不良少年。
でもそれは過去の柴田愛藍。
今私が知っている柴田愛藍は友達思いで、負けず嫌いの素直な少年。
見た目は昔と同じなのに、中身は大きく変わっている。
見た目以外で変わらないと言ったら、愛藍は約束を必ず守ること。
どんな小さな約束でも、愛藍は絶対に破らない。
『この前の電話の内容も覚えてくれたんだ』と思ったら、私は凄く嬉しい気持ちに包まれた。
私の表情も緩んで、幼い頃の私のように自然と笑顔になっていた。
「い、いらっしゃいませ!愛藍本当に来てくれたんだ」
「ああ。お前が屋台出すって言うし。気になるし」
愛藍は桜さんの『想い』に気付いているのだろうか?
その何気ない愛藍の最後の言葉は、愛藍に恋する桜さんを絶望に叩き落とした。
桜さんはガックリと肩を落として、今にも泣きそうな表情を浮かべている。
でも、それで挫けないのが桜さんと言う女の子みたいだ。
「愛ちゃん!一緒に祭りを回るわよ!」
「っておい!」
桜さんは愛藍の腕を掴んで、誘拐するようにこの場から離れた。
愛藍も理不尽に桜さんに連れてかれる。
そのあまりにも衝撃的な行動に、私はただのその状況を唖然と見ていた。
一方の橙磨さんは笑う。
「ははは。なんか面白いことになっちゃったね。愛藍くんが拐われるって」
美空さんが橙磨さんに言葉を返す。
「橙磨くんが桜に火を付けちゃったからじゃないの?ホント、兄妹揃って相手の気持ちを理解しようとせずに発言するんだから」
「いやー、だって面白いじゃん。それに桜ちゃんも桃花を失って、変わろうとしているんだし。ってか実際変わったし。すごく強くなったし」
美空さんは愛藍と桜の背中を見届けると、ため息を一つ吐いた。
何て言うか、まるで桜さんの恋の行方を分かりきっているみたいな『恋の神様』のみたい。
きっとさっきの興味がない美空さんの態度も、結果が見えているからの行動なんだろう。
『愛藍が桜さんより桑原茜の方が好きなんだ』って。
愛藍本人よりも分かっているみたいで・・・・。
一方の私は状況が全く理解できなくて、一人で混乱していた。
だって約束して愛藍が来てくれたはいいけど、愛藍が誘拐されちゃったし。
愛藍の顔は見れたけど、何も話せてない状態だし。
また来てくれるだろうか?