「最近いつも色んな人が側に居てくれるから。こんなの初めてって言うか・・・・・」

「そう。それはよかった。少しは私にも心を開いてくれたかな?」

「えっと、それは・・・・」

でも、まだ自分に自信が持てないのは本音。
まだみんなを完全に信用出来ていないのが今の私。

そこだけは今も昔も変わらない。
例えば目の前の城崎さんだって『いい人で信じたい』と思うけど、心の底に潜む本当の私がまだ許してくれない・・・・。

いい加減だよね私。
表向きにはみんなから『変わった』って言われるけど、中身は全く変わっていない。

考え方も人付き合いも、『一人で過ごす方が楽』だと思ってしまう時もよくある。

こんなんじゃ、葵の顔を見ることはまだ出来ないだろうな・・・。

・・・・・・。

「いいのよ。早く成長するのも大事だけど、じっくり時間をかけて変わる部分もある。人間の内側なんて、簡単に変わらないわよ。変わっていたらいじめなんて誰だってしないわよ」

まるで私の心を読んでいたかのような城崎さんのアドバイスに、思わず私は城崎さんから目を逸らしてしまった。

城崎さんは続ける。

「小緑ちゃん、昨日は本当に元気だったね。瑠璃ちゃんとも仲直りしたみたいだし。砂田くんと瑞季くんとも仲良くしているみたいだし。これも茜ちゃんのお陰かな」

「私ですか?」

私は目を丸めて首を傾げた。
『いや、だって何もしていないし』って思っていたら、城崎さんに睨まれた。

「小緑ちゃんのお誕生日会。提案したのは茜ちゃんなんでしょ?なんで『自分は何もしていない』って言っているような顔をするの?」

「いや、その・・・・・」

慌てて言い訳を考えようとしたが、何も浮かばなかった。
だって私の思ったことは、そっくりそのまま城崎さんの今の言葉だし・・。